松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



春夏秋冬

阿弥陀堂だよりという映画を観ました。



美しい音楽が映画全体を優しく包み、言葉を失ってしまうほど日本の四季を情景豊かに映し出しています。

映画自体は面白かったのかと問われますと、そうでもなかったのですが、最後に阿弥陀堂に住むおばあさんが紡いだ言葉にはっとさせられました。

「春、夏、秋、冬。冬だけは雪が真っ白に全てを覆い、人が住む里と山の向こうのあの世が一つになるのです。雪が溶けて春を迎えると、また夏がきて秋が過ぎ、またあの冬がやってきます。」

この映画は人の死や病気についての描写がとても多かったので、とてもタイムリーな映画だと私は感じました。

新型コロナウイルスの影響で不要不急の外出を控えるといった報道がされていますが、この映画中の自然いっぱい、季節感いっぱいの映像を見ますと、なんだか普段気にしてもいなかったような風や植物の匂いや、あれほど好きではなかった雨までをもとても愛おしく感じてしまいました。

いつも通りの生活を当たり前のように気に留めずに過ごしていた自分をこうして省みてみますと、平和のありがたみをひしひしと感じずにはいられません。

一分一秒を大切に生きなければなりません。