松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



発酵

らっきょうを塩漬けしてから二週間あまり。




しっかり発酵しました。




発酵すると、白色だったらっきょうが黄色がかった乳白色に変化するんです。








それが本漬け前のサインなんですね。




一日かけてゆっくり水に浸けて塩抜きをしているところです。








さあ、明日は本漬けに取り掛かります。




私はらっきょう屋さんではないので、きちんと松屋長春の仕事もします。




お間違えのないよう。




では、おやすみなさい。

最後です









伊勢芋も軽羹粉もこれで最後。




秋になるまでこの先つくりません。




菓子名は「水辺に咲く花」です。

さなえ

わが稲沢市では、ちょうど田植えが終わった頃であります。




水が張った田んぼに早苗が均等に植えられ、用水から流れ込んできた小魚や昆虫、小動物を探して啄む白鷺。




若緑の中に映える純白。この二色のコントラストがとても美しく、私のお気に入りの風景の中の一つです。




この早苗は夏に向かってどんどん大きく育ち、白鷺が見えなくなるほどの背丈になります。




色も若緑色から一層深い緑色へと変化し、秋になると黄金色の素晴らしい姿へと変貌を遂げます。




風にたなびく黄金の絨毯は、童話の中の魔法の絨毯のような大きなうねりをつくって、私たちの目を楽しませてくれます。




私が生まれ、育ったまちは稲の沢と書いて「稲沢市」であります。(実際には稲沢市の名前の由来は別のところにあるようですが)




近所にも田んぼがいっぱいで、カエルやザリガニ獲りに勤しんだ幼少期の事もついこの間のことのように鮮明に記憶しています。




そんな理由もあってか、今でも心の風景として「稲田」は強く私の中に残っているのです。











早苗(さなえ)







そう名前を付けて毎年お店に並べる和菓子です。




爽やかな風が吹き抜けていくような、そんな和菓子です。