松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
かのこ
「かのこ」は「鹿の子」と漢字で書きます。
名前の通り鹿の子どもの事を指すのですが、実際には鹿の背中にあるまだら模様に由来するものであります。
いわゆる斑点のことなのです。
世間では「鹿の子」と言われるものが多くあります。
例えばポロシャツなどによく使われる鹿の子生地。これなんてなぜ鹿の子どもの背中に例えたのか全く理解できません。
鯨肉鹿の子。鯨の肉の霜降りの部分の事をそう呼びます。こちらは少しニュアンスとしてわからなくもありませんね。
和菓子で言えば、小倉鹿の子や栗鹿の子が有名であります。名前からわかりますように、小倉は小豆を表面に散らした和菓子でありますし、栗鹿の子はまさに小倉鹿の子の栗バージョンのことであります。
本日ご紹介は「栗鹿の子」

栗をたっぷりと使って仕上げました。
今の時期とお正月に松屋長春の店頭に並ぶ定番商品です。
栗好きなお客様には是非お勧めしたい和菓子であります。
この「栗鹿の子」ですが、鹿の背中に見えますか?
私にはお城の石垣にしか見えません。
誰だ?こんな名前にしたのは!
イメージの湧かないネーミングはあきまへんで!
大当たり
今年の栗は今のところ大当たりです。


香りよし!味もよし!甘み強し!
しかし、松屋長春がお取り引きしている熊本県の農家さんは収穫が例年の10%くらいらしくて、栗の確保が今年は特に大変であります。
先日、ニュースで知ったのですが、岐阜県の栗はコロナ禍からの不景気もあって、ものすごい量の栗が余剰しているそうです。
ネット販売や道の駅での販売などで、できるだけ個人消費を促しているようでありますが、腐りのはやい栗のことです。非常に悩ましい問題であります。
熊本農家は収穫大幅減、岐阜では収穫大幅増と土地によって毎年バラつきがあります。
私としましては素晴らしい栗を探してお客様のお手元にお届けすることに注力するだけであります。
松屋長春が扱っている今年の栗は今のところ「素晴らしい」の一言です。