松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



藤絞り

こなし製の生菓子です。

中はこしあん。


藤しぼりと名付けてお店に並べました。

私の家の藤の花もすでに開花しましたよ。


今年は花たちの開花が全体的に早いようですね。

話は変わりますが、和菓子の着色にはとても気を使います。

お客様はあまり気づかれないのかもしれませんが、一年を通してお店に並ぶ和菓子は全体的に統一感があり、それはお店によって。また作り手によってそれぞれの色合いや味があります。

松屋長春には松屋長春の昔から受け継がれてきた松屋長春だけの色合いがあります。

これは創業者の祖父の頃から、お客様に親しまれてきた色であり、父も私もそれを踏襲しています。

着色の中でも一番難しいものに紫色があります。これは紅と青を混合して着色するわけですが、配合によって青がちになったり赤がちになったりします。

私がお世話になった京都の和菓子屋では常に青がちが基調の着色でした。祖父や父の着色は少し赤がち。

修行から帰ってきた頃はこの紫色の着色にとても戸惑いを覚え、慣れ親しんだ青がちの着色がなかなか頭から離れられませんでしたが、現在は松屋長春の色に私も完全に染まりました。

感覚は人それぞれ。しかし長きに渡り、脈々と受け継がれていかなければならないものもあります。

それが和菓子屋にとっては色や形や味であり、ほかのお店には無いものだと思います。

いずれ娘も帰ってくるでしょうが、松屋長春の職人として私も含めて皆が共有できるようしっかりと伝えていきたいと思っております。