松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



こなしについてのお話

前回、着色についてのお話もしました藤しぼり。

この生地である、こなしについて少しお話したいと思います。



東京、京都でそれぞれの和菓子の勉強をした私にとってのこなし考ですが、関東圏で言う練り切りと関西圏で言うこなしは概ね同じものであると思います。

こなしと呼ぶのはこの中京圏以西に限られます。

この先はこなしとしてお話いたします。

こなしの生地はほとんどが餡で出来ています。餡そのものだけでは写真のようなしっかりとした生菓子として成り立たないために、いわゆるつなぎというものを使います。

餡はそもそも食べるとさっくりとした食感で口溶けが良いものです。それにつなぎを使用する事で成型しやすく、思った通りの色形にできるようになるのです。それが和菓子の種類の中でも一つの重要な生地の一つとして昔から伝わってきたものなのです。

もう少し話を掘り下げてみますと、先ほどお話しましたつなぎ。これがとても重要な要素であります。

餡を炊く際に熱を入れますが、その時につなぎを投入します。このつなぎ、お店によって様々で投入する材料が各店舗によって違います。これが最終的な味の違いの一つとなり、それぞれのお店の特徴となっていると思います。

そもそもつなぎは全体量の10%程度なので、ほとんどが小豆の良し悪しにも関わってくるものでありますが、10%のつなぎも大きく味を左右する事は言うまでもありません。

こなしを敬遠される方が多いのはこの味と食感が大きな原因となっているのではないでしょうか。

松屋長春のこなしは世界最高の小豆の一つである岡山県産備中白小豆を使用し、つなぎの原材料はここでは敢えて書きませんが、先代から伝わる厳選したものを使っております。

一度是非お試しいただきたい当店自慢の生地の一つであります。

後ろを振り返るよりも

映画

メッセージを観て。



地球外生命体との更新を軸にストーリーは進んでいきます。

とても静かに。

主人公の女性の生い立ちにスポットを当てていますが、最後の最後に全てが繋がっていく。

基本的にこのような類の映画は好きではないので観ませんが、アカデミー賞を受賞していた事もあり観ました。

深く考えさせられるものがありました。

観て本当に良かったです。

もし、未来が見えるなら自分の進んできた道を変えるか否か。

自分ならどうする?

私は離婚を経験し、三人の娘が私と一緒に生きる事を選び、現在に至っています。

しかし、結婚が無ければこの三人の娘は生まれて来なかった。。。感謝の思いで毎日を送っています。

あれこれと思い巡らせましたが、私はやっぱり今まで歩んできた道で間違いなかったと思ってます。

なぜ?

それは今がとても幸せだからです。

歩んできた道に間違いはなかったと自信を持って言えます。

人は間違いを犯してもそこからその間違いを学び、しっかり修正する力があると思います。

間違いの無い人生を送っている人はいないとは思いますが、もしあったとしてもとてもつまらないものなのでしょう。

過去も大事でしょうが、それはそれとしてこの先の未来を見据えて毎日を送るほうが大切だと思います。

自分の人生に納得し、大きく頷けるような毎日を送りたい。

今日も鼻歌混じりで張り切って参りたいと思います。

季節と味覚の関係

柏餅用にあん玉を握りました。



照り、きめの細やかさ、口溶けと喉越し、そして味。

納得のいくとても良いあんに仕上がっています。



季節。特に温度と味覚は関係が深いように私は考えています。

暑い夏になれば冷やし中華やそうめん、かき氷などを好みます。逆に冬には鍋などの温かいものを欲するようになります。

それと同じように和菓子におきましてもやはり暖かくなるにつれ、口当たりのさっぱりしたものやひんやりとさせてくれるものを好むようになります。

季節の移ろいに伴ってやはり食べて美味しいと感ずるものが違ってくると思います。



この時期にスタートします柏餅はやはりタイミングよく考えられた和菓子ではないかと考えます。

口当たりもひんやりして清涼感溢れていますし、こしあんの口溶けや喉越しもよく、あっさりとした味わいも良いのではないでしょうか。

本日より柏餅スタートです。