松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



丹波

昨日仕上がった丹波春日大納言小豆の粒あんです。



素晴らしいあんだと自認しております。

火を入れるタイミングや止めるタイミングなどの細かいところはやはり経験と見る目が必要にはなりますが、私の和菓子職人としての力量とは関係なく、あんそのものの美味しさは使用している豆の程度に比例するものだと思います。

岡山県備中白小豆やこの兵庫県丹波春日大納言小豆などは国内でも最高の唯一無二の存在であります。

毎年秋になりますと、丹波篠山の仕入れ先からお歳暮代わりとして枝豆が送られてきます。



丹波黒さやという銘柄だそうで、普通の枝豆とは違いとても粒が大きくて味の濃いのが特徴であります。

昨日の夜、少し時間があったのでこの枝豆を使って料理をしました。



まずはシンプルに枝豆の塩茹で。

一番そのものの味や香りがわかります。

美味しいです。



次に豚肉と小麦粉を少々加えて、ハンバーグ風にしてみました。

食感や味も抜群でした。パン粉をまぶそうか最後まで迷いましたが、素揚げで正解でした。



最後は枝豆ごはん。

とてもいい夕飯でした。

産地の確かなもの、美味しいものはやはり値段が高額です。しかし、そこには揺らぐことのない信頼があります。

良い材料を使い、その良さを自分の腕で高める。

お客様に喜んでいただけるような和菓子をご提供できますように、

良いものを知る

良いものを選ぶ

良いものをつくる

精進を重ねなければなりません。

関東にお住まいのお客様へ

ご案内が遅れまして申し訳ございません。

明後日の土曜日に日本橋タカシマヤにて羽二重餅の特別販売がございます。



今の季節はいちょうの焼印です。

11月10日土曜日一日限りの販売ですが、よろしくお願いいたします。

確認

朝起きて夜眠るまで一日を無事に終えるのには色々な確認が必要だと眠る前にふと気付きました。



目が覚めてすぐ布団をたたみ、髭を剃り歯を磨く。熱いお湯で髪を洗い流し整髪し身だしなみを整える。

そして仕事場へ入り釜に火を入れ、それと同時に娘たちのお弁当づくり。そして家族の朝ごはんの用意から私の一日は始まります。

それらの一つでも欠けてはならないので自分に問いかけ、「ちゃんとやれているのか?」と問いかけます。


ここまででも多くの自分の確認作業が頭の中を駆け巡ります。



昼にかけ、お客様のご注文は全て用意できたのか?材料の欠品はないのか?この先の仕事の準備は出来ているのか?

様々な確認に追われます。



そして夜にかけて次の日の仕事の下ごしらえや夕飯の準備にも怠りなく確認しなければなりません。


仕事以外にも娘たちの学校の事、両親のスケジュールにも気を配ります。




私は完璧な人間ではないのでいくつかの落ち度があり、しっかりと確認が出来ていなかったのを知る事もしばしばあります。






毎日の確認作業の出来映えが自らの仕事の満足度に繋がるのではないかと考えています。








これまでお話した内容は全て自分の役割に関しての確認です。





私には「確認」がもう一つあります。

それは人付き合いに関してです。


人は誰でもそうであるのではないかと私は思っているのですが、人からの便り。つまりメッセージであったり電話であったりが自分が忘れられていないのだという確認なのではないでしょうか。


なかなか上手には表現できませんが、随分と連絡のなかった友人からの電話がとても嬉しく感じるように


「自分は一人じゃない。忘れられていないんだ。」


それを知る事は自分がああ、幸せだなぁと再確認できる事なのではないかと私は感じています。



大学生の次女は近頃バイトで帰りが遅くなります。次女の食事の用意をし、彼女を待ちながらこのブログを書いています。




人って面白いもので、自ずから求めていると集まるもので求めていないと離れていくような気がします。


私はとても寂しがりやです。人を求め、やはり求められたいです。

娘たちにも友人たちにもそんな「確認」を怠らないようにしたいです。


確認安心幸せ喜び



確認って大事です。

忘れちゃいけないし、忘れられちゃさみしいんです。