松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



小豆の色は新色素

小豆の色は新色素だった。



そんな研究結果が発表されました。

今までの定説では小豆もポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれていると言われていましたが、それがほとんど含まれていない事がわかったそうです。

金時や黒豆にはアントシアニンが含まれ、小豆には無い。

今までは普通に小豆にはポリフェノールが豊富に含まれていて、健康にも良いとされていました。それが覆る結果となったようです。

どちらにせよ、和菓子は油を含んだものは元々少ないため、スイーツとしても良いであろうというのは間違いなさそうでありますが、和菓子屋にとってはポリフェノールが豊富という売りの言葉はもう使えなくなりました。

長く生きていると、今まで定説と言われてきたものが180度変わる事も少なくありません。

私はいつもこう考えています。

好きなものを食べるといつ行為には人間としての幸せが多く詰まっています。健康上気をつけなくてはなりませんが、好きな食べ物は抑えるとストレスとなります。なので私は大好きなケーキは定期的に買って幸せを噛み締めながら食べます。

とどのつまり、健康に気を付け過ぎてしまうと食の制限がどうしても出てきてしまいます。健康な間はご褒美に美味しいものを、大好物なものを!たまには食べても良いのではないでしょうか。

新説が発表されても、それに右往左往する事なく食べて美味しい和菓子を作ります。

こんな結果を頭の片隅に置いておきながら、いつも通り和菓子道にまい進いたします。

パシオン

情熱を英語でパッションと言います。

パッションフルーツはその果実の色合いが情熱に通じることからこの名前が付いたのでしょうか。またはその味わいからきているのでしょうか。

きちんと調べた事がないので今度パッションフルーツについてしっかり勉強したいと思います。

話は横道に逸れてしまいましたが、



私が一番「情熱」を感じるバンドのアルバムです。

最初、彼らのサウンドを聴いた時には天地がひっくり返るくらいの衝撃を受けました。

ラテンのしっかりとしたリズムに胸が熱くなるホーン隊、コーラス。全てが完成されていて何度聴いても素晴らしい発見があります。

表題の「パシオン」とはスペイン語で言う情熱のこと。PASIONと書きます。

バンド、グルーポ ファンタスマにはPASIONが溢れています。元気を無くしてしまった時、ドライブ時、料理の際にも聴いています。

情熱。とてもいい言葉で私はこの言葉が大好きです。

自分の心が相手にしっかりと伝わる。そんな音楽を彼らが私にいつも聴かせてくれるように、私もお客様の心にきちんと届くような和菓子作りをと思って取り組んでいます。

素晴らしい泳ぎで私たちの心をわしづかみにしてくれた池江璃花子さんが、先日白血病と闘う決意を公に発表されました。

文面には彼女を応援している方々への細やかな気配りがたくさん散りばめられていました。また成人前に発病されて本人が一番動揺していると思うのですが、彼女のとても前向きな姿勢に私は強く心を打たれました。

彼女の水泳に対する思いが情熱となって私たちのもとへ届いていましたが、今は一旦リセットされてその情熱をご自分の病気の回復へと向けて欲しいです。

今回の発表があってから池江璃花子さんの事が私の頭から離れません。私もファンの一人としてお祈りしております。また、元気な笑顔を見せて下さい。

PASION持って!

なんだか最近涙もろくて。ダメですね、ほんと。

おひなさまの和菓子です

桃の節句、ひなまつりが近づいてまいりました。

ひなまつりにはこちらの生菓子、「ひちぎり」が代表的なものとなっています。



こなし製の土台に色鮮やかな色合いのきんとんをのせて仕上げています。また、中のあんには丹波大納言小豆の粒あんを使用しております。



こちらがこなしです。



当店では伊吹山のよもぎを使用しております。

とても香りが強く、純国産の天然ものの良さが前面に打ち出ている良品です。

ひちぎりとは、餅を丸める手間を省くために引きちぎったところからこの名前が付けられたと言われています。そのような事からツノの部分は引きちぎってそのままにしておくのが通例ではありますが、とても乾きやすいという弱点がございます。

そのような理由にて、当店はツノの部分を丸めて仕上げております。

お客様には、きちんとした和菓子の由来や意味を知っていただいた上で、お召し上がりいただきたいと思っております。