松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



終盤です

年始からずっとつくり続けてきました草餅ですが、そろそろ終盤に差し掛かってまいりました。



よもぎを大量に投入していますので、この濃いよもぎ色が出ています。着色料は一切使っておりませんので、よもぎの香りや味がしっかりと出ていると思います。

旬のピークを迎えた生菓子であります。

旬というものはやはり旬と言われる季節に口にするもの。旬ではない時に食べますと面白いもので口に合わなくなってくるものです。

詳しくは明日、しっかりとおはなししようと思っております。

草餅、あと二週間あまりで終了となります。

ほっと一安心

おはようございます。

先日、皆さまにおはなししました、悪い話。丹波大納言小豆の供給量減の事ですが、



一生懸命に入手ルートを探していたのと同時にいつもお取引している丹波篠山の穀物商の社長ともお話し合いをしておりました。

私の熱意が伝わったのか、数量を充分に確保できるに至りました。

ほっと一安心です。



今年の収穫までこれで安心して乗り切る事ができそうです。

皆さまには大変ご心配をおかけしました。

あとは今まで以上に美味しいと思っていただける和菓子をご提供できるよう努力するのみです。



松屋長春にもやっと夜明けが訪れました。

若みどり

が美しい頃はあっという間に過ぎ去ります。

一年間をこの素晴らしい一瞬に捧げているかのようです。

桜には刹那の美しさがあり、日本の国花たる理由がわかるような気がします。

余談ですが、日本の国花は実は2つあります。桜ともう一つは菊であります。菊は皇室の御紋章としても用いられているように、古くから日本にとって欠かせない花であった事が伺われます。

桜、菊ともに日本にとっては削る事のできない花であったため異例の国花二つとなったのかもしれませんね。

桜は花筏の頃を迎えますと、一斉に枝に葉を広げるようになります。同じ頃、桜と同じように枝に葉をつけ始めますのが藤であります。

どちらの若芽も緑色といっても黄色の強い薄緑色で、生命の力強さを感じさせてくれます。

また春の緑は真夏の緑とは違い、目にとても優しい色合いをしています。

山も遠くから望むだけで新緑の春色をしているのがわかり、それだけでとても気持ちいいものです。

私が一番大好きな春の緑はもみじの若芽の色です。優しいもみじの緑がゆらゆらと風に揺れるのを眺めるだけでとても幸せを感じるものです。

前置きが長くなりましたが、





外郎製の生菓子です。



今の時期、これこそ刹那の生菓子だと思います。