松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



日本語っておもしろい

今年は松屋長春の近くまで、毎日うぐいすがやって来て美しい声を聞かせてくれています。

何故かはわかりませんが、うぐいすがやって来る年もあればそうでない年もあります。

うぐいすは毎日鳴いてくれるのですが、最初から美しい鳴き声とはいきません。寒い頃はなかなか上手には鳴くことができません。春の恋の季節が近づくにつれ、日頃の練習の成果が出てどんどん上手になっていきます。

毎日の努力の積み重ねが大切だとうぐいすが身をもって教えてくれます。

うぐいすは春の代表的な鳥で、別名「春告鳥」と言います。うぐいすの他に春を告げる鳥として有名なのがホトトギスです。漢字で書きますと「時鳥」となります。時とは春を指すのでしょうね。うぐいすとホトトギス、よく似通っているように勘違いされがちですが、格好も鳴き声も全く違います。

うぐいすは「春告鳥」、ホトトギスは「時鳥」ですが、「時告鳥」はどんな鳥を指すのかご存知でしょうか。時を告げる鳥はニワトリです。朝一番に鳴きますもんね、ニワトリって。

「春告鳥」「時鳥」「時告鳥」

似たような漢字の羅列ですが、指す鳥はそれぞれ。全く違う鳥を指している事を知ります。

では、「春告魚」はどうでしょう。

春を告げる魚はメバルです。

また魚へんに春と書いて鰆(さわら)と読みます。

漢字には必ず意味があり、その漢字の意味を紐解くと実際に指すものが見つかるようになっています。

日本語っておもしろい!

一つのものにいくつもの異称があるのは日本語だけではないでしょうか。

菊の花などは異称を数えてみると10以上もあります。

漢字だけでそのものを連想させるなんて、なんて粋な事なんだろうと思います。私は日本に生まれて本当に良かったと思える一つの要素であると思っています。

前置きが随分と長くなってしまいましたが、



山ホトトギス

軽羹製の生菓子です。

軽羹製の生菓子はこの山ホトトギスを最後に秋まではお休みをいたします。

春を告げる和菓子です。

せいくらべの日までの販売です

おはようございます。

ちまき、蒸し上がりました。





松屋長春は黒糖とプレーンの2種類のご用意です。

蒸し上がったら粗熱を取り切り、笹で巻いて仕上げます。

笹の香りがちまきにほんのりと移り、美味しさをより引き立ててくれます。これが、ちまきの本当の良さなのではないかと思います。

今年は次女と三女がちまきのほとんどを巻きます。

五月五日のせいくらべの日までの販売となります。

春の香り

春の香り

色々連想されます。

菜花であったり、ふきのとうであったり、よもぎであったり、タラの芽やコシアブラなどもそうでしょう。

匂いを嗅ぐだけで春を存分に感じられますし、口にしますと鼻を抜ける香りがなんとも言えません。

極上の幸せを感じるものです。

本日ご紹介しますのは、春の香りの一つである木の芽を使った蒸し菓子です。



自家製の山椒の葉です。

もちろん採りたてのものを使っております。

フレッシュな香り、春の香りです。