松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



地味な仕事が多いんです

昔からのイメージで洋菓子は華やか。そして和菓子のイメージは地味。

これについては実際にはどうなのかはわかりませんが、知人や友人から聞く和菓子のイメージは「裸電球の下の薄暗いところで仕事をしていそうだ」だそうです。

これには反論したいところです。

うちには裸電球は一つもありませんし、家族全員は明るい性格の持ち主ばかりだと自負しておりますので。

しかし、仕事の内容は言われるようにコツコツと根気が必要なものが多いですし、地味な仕事も少なくありません。派手に見えるところは店頭に並んだ、仕上がった和菓子だけではないかと思います。

我慢強く土台をしっかりと築くところがどんな仕事にも一番大切なのかもしれませんね。華やかな部分はその苦労たちの結晶であればいいのです。

前置きが長くなりましたが、夏の仕事で我慢と忍耐が一番必要なもの



水羊羹です。

これらの商品も全て手作りです。



カップに流し入れ、



熱で蓋を圧着してから熱湯で殺菌し、綺麗に拭いてから仕上げます。

気が遠くなるほど根気が必要な仕事です。

やっと今年もお店に並びました。

自家製餡のスッキリ、アッサリしたこしあんがベースの2種類と梅酒の香りが芳しい1種類。

冷蔵庫でしっかり冷やしてから食べたい夏の代表菓です。

露かしわ

朝露に濡れた柏葉を表現した葛製の蒸し菓子です。



早朝の草木は生命感に溢れています。

太陽が去った夜のしじまをやり過ごし、再び太陽が昇ると一気に命を吹き返すように艶やかなる姿を私たちに見せてくれます。

やはり植物たちは朝が一番趣深いように思います。

この露かしわ、今月末までの販売予定となります。

時間を大切に

映画「オーロラの彼方へ」を観ました。



実際にはあり得ないファンタジー映画ですが、ストーリーがしっかりと練られていて心を打たれました。

ニューヨークに住む主人公は小さい頃に消防士の父を火事で亡くしました。大人になり、警官になった主人公は父親が遺した無線機をひょんなことから起動させる。
すると、30年前の父とその無線機を通じて話ができるようになり。。。

必死で父を救おうと奔走する息子と、息子を愛し続け必死に息子のために行動する父。

この映画を観終わり、自分は家族との時間を大切に生きているのだろうかと自問してみました。

思い返してみますと、足らない部分がたくさん思い浮かんできます。

誰でもそうですが、いつなんどきこの世に別れを告げるのかはわかりません。1分1秒をもう少し大事にしなければと思うのです。

時間を大切に。家族や友人との時間を悔いのないように。

あらためて気付かされました。

映画は私の人生の教科書です。私に多くの教訓を与えてくれます。