松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



ファジーに溶け合う水平線

本日ご紹介の生菓子はこちら。



黄色と半透明の錦玉がファジーに溶け合い、境目が妖しくぼけています。

この菓子、個人的に大好きなんです。

砂浜に座って海、水平線をぼーっと眺めている。

そしてザーッ、ザーッつと打ち寄せる波の音を聞きながら次第に自分と海とがシンクロしていく。。。

そんなイメージです。

この錦玉、食感にとても特徴的なものがあります。黄色に染めた部分がもちもちとした食感となっています。

もちもち、さっくりの半分ずつ。

味、食感のコントラストをお楽しみ下さい。

いつもの事でありますが、冷蔵庫でしっかり冷やしてお召し上がりください。

夏真っ盛り

夏真っ盛りになりましたね。

梅雨も明けたようで、昨日今日などは我慢できないほどの暑さです。

クーラーのある仕事場で私は働いておりますが、大釜を3つ同時に点火する時などは、当然でありますが全くクーラーなぞ効きません。

今まで三度ほど軽い熱中症になりました。

風通しなどに留意しながら今年の夏も無事に乗り越えてまいりたいと思います。

皆さまにおかれましても、充分な水分と塩分を補給し体調にお気をつけてお過ごしくださいませ。

たった一度の不覚でも致命傷となりかねませんから。

前置きか長くなりましたが、本日はこの生菓子のご紹介です。



盛夏と銘打ってお店に並べております。

音遊びでこのように名付けました。

「盛夏」「すいか」

現在は濃縮されたピューレや香料な添加物のおかげで、簡単にフルーツなどのフレイバが再現できる世の中になってきました。

先日も材料屋さんからすいかのピューレのご案内があったところです。このすいかのピューレ、すいか100%です。香りも味もホンモノ。

しかし、この盛夏にはこのようなピューレは使っておりません。

感覚なのですが、ホンモノを入れていいものとそうでないものの区別を瞬間的に判断しています。

ホンモノを入れて姿形も味も近づけると、とてもチープなものになってしまうような感覚が私の中にあります。

この盛夏、姿形や色合いで夏を感じでいただきたい。そこからお客様ご自身のイメージを膨らませていただき楽しんでくださいましたらと思います。

そのような意図がお客様に伝わったならとても嬉しく感じます。

女性に例えられる花

ナデシコ

漢字で書くと撫子となります。

サッカー女子日本代表のことをなでしこジャパンと呼びますが、日本ではナデシコの花を女性に当てはめることがよくあります。

これはナデシコ(撫子)を「撫でし子」と読み替え、頭を撫でるほど可愛いと子だというところから子供や女性を指す花として広まっていったと言われています。

小さく、そして優しい桃色の可憐な花は決して派手ではなく華やかでもありませんが、どこか人を惹きつける魅力に溢れていると思います。



ぼんやりと薄桃色を透かして蒸し上げました。

冷蔵庫で1時間程度冷やしてからお召し上がりいただきますと一層美味しく感じてもらえると思います。