松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



うぐいす餅

「春告鳥」

春を告げる鳥として有名な鶯(うぐいす)

柔らかな緑色を連想する方も多いと思いますが、実際にはメジロのような鮮やかな緑色ではなく、灰色がかった緑褐色の色合いをしているのがうぐいすです。

うぐいすが持つ色よりもあの美しい鳴き声が人の心を魅了してやみません。

まだまだ気温が低い初春は上手に鳴くことが出来ないうぐいすも、暖かくなり恋の季節を迎える頃スカッとする美声をきかせてくれるようになります。

また、うぐいすは個体によって鳴き声が様々である事も私にはとても興味深く感じる次第で、春先に木曽川のほとりで色々なうぐいすの鳴き声に耳を傾けてみるのも毎年の私の楽しみの一つであります。

前置きが長くなりましたが、うぐいす餅がお店に並びました。



お店によってうぐいす餅のご提供の仕方は様々であると思います。

松屋長春では羽二重餅の生地を柔らかな緑色で練り上げ、頂にはうぐいす粉ときな粉を二重に配すようにしています。

粉を重ねることによって深みのある香りと味を醸し出すように仕立てております。

年が明け、春先までこのうぐいす餅はお店のショーケースを飾ることとなります。