松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



地方発送も大丈夫です

今年もレモン羊羹が出来上がりました。



このレモン羊羹、レモンの皮と果汁を思いっきり投入してあります。



写真のレモン果汁は種が入っておりますが、きっちり裏ごししてから投入しておりますのでご安心ください。

もちろんフレーバーなどは一切入れておりませんので、レモンだけの香りと酸味、味わいであります。

レモンの皮と果汁だけではこの色合いは出せませんので着色料だけは使用しております。

素晴らしい仕上がりとなっております。

爽やかな風味と清涼感たっぷりのレモン羊羹は松屋長春の羊羹の中でも際立っていると思います。

しっかりと冷蔵庫で冷やしてお召し上がりいただくことをお勧めいたします。

このレモン羊羹、発送可能です。発送のご注文もお受けいたします。ご希望のお客様におかれましては、お電話にてご注文下さいますようよろしくお願いいたします。

はまづと

「浜づと」という銘の蒸し菓子がお店にならびました。



外見でおわかりになっていただけると思いますが、貝殻のフォルムで仕上げております。

ここで「浜づと」の「づと」のご説明を。

「づと」は漢字で書きますと「土産」となります。正式には「浜土産」となります。

海からの恵みという意味合いです。感謝の念を持ったことから「土産(づと)」となった事が伺われます。

一方、山からの恵みのことを「山づと」と言います。これは一般的には秋の季節に使います。

「山づと」の代表的なものには栗があったります。

松屋長春の「浜づと」は生地に蕎麦粉を入れて色合い深く仕上げているのが特徴であります。

うぐいすとほととぎす

「山ほととぎす」という松屋長春定番の蒸し菓子をお店に並べました。



「どこがほととぎすなんですか?」と言われてしまいそうですが、和菓子は想像です。イメージです。

ほととぎすという鳥は灰色ですので、本物とは大違いではありますが、夏を告げる鳥の代表格であるほととぎすを銘にあててこの菓子をつくった次第です。

一方、うぐいすという鳥は漢字で書きますと「鶯」となりますが、別名「春告鳥」と呼ばれる通り、春を告げる鳥の代表格であります。

うぐいすは別名「春告鳥」と呼ばれるのに対し、ほととぎすは夏を告げる鳥の代表格であるにもかかわらず、「夏告鳥」という異称は与えられませんでした。そう考えると可哀想な鳥かもしれません。

しかし、ほととぎすはズルい鳥でもあり、カッコウのような他の鳥の巣に自分の卵をうみつける習性があるのです。うみつけ先の巣がうぐいすのものである事が多いので、あながち可愛そうとも言えませんね。

うぐいすは挽茶色で「ホーホケキョ」と鳴くのに対し、ほととぎすは灰色で「キョ キョ キョ」と鳴きます。

季節も重なるところはあれど、少しズレがあります。

よく混同されがちなこの鳥たちですが、似てもいませんし、全く種類も違うものであります。

断然、昔からうぐいすの鳴き声は珍重されて愛されてきましたが、実際にほととぎすの鳴き声を聞いてみますと、これはこれで素晴らしい歌声なのです。

ちょうど今ごろ。山などに出かけますと、うぐいすとほととぎすの鳴き声がどちらも美しく聞くことができます。

そろそろ自然が、外出が恋しくなってきました。