松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



レモンのスノードーム

少し前にレモン羊羹をご紹介しました。

レモンの清涼感や透明感は他のどの果実にも真似ができない唯一無二のものであります。

松屋長春では気温が高くなるにつれ、何種類かのレモンを使った和菓子をお店に並べるようになります。

今回ご紹介いたしますのは、レモンを使った和菓子の第二弾です。



淡雪とレモン羹の取り合わせです。

レモンの皮と果汁をしっかりと取り入れ、レモンそのものの良さを充分に詰め込みました。

スノードームってご存知ですか?

まん丸の水晶ケースの中に景色を配して、それを振ってかき混ぜると雪が舞い降りる仕組みになったものです。

綺麗ですよね。最近見かけなくなりましたよね。

「レモンのスノードーム」

この和菓子をつくっていて、そんな風に形容したくなりました。

無重力空間

アメリカのミュージシャンでメイヤーホーソーンという人がいます。

白人なのですが、ソウルの中でも特にフィリーソウル(1970年代に大流行したフィラデルフィア発のダンスミュージック)を深く愛し、彼なりの解釈で昔流行ったフィリーソウルなどのソウルミュージックを現代にマッチするように作曲をする人であります。

それがブラックミュージックが大好きな私の感性にぴったりと合うんです。



彼は今まで個人名義のアルバムを4枚ドロップしています。

どの曲もステキで、彼のファルセットも心地よく、感覚としては無重力空間をフワフワと浮遊しているような気持ち良さに包まれます。

時にはオージェイズ、時にはダイアナロス&シュープリムス、時にはサム&デイヴのようにも聴こえるサウンドは現代のディスコミュージックと形容してもよいのではないかと思っています。



メイヤーホーソーンは2枚目の写真、「タキシード」という別名義のグループも組んでいますが、こちらは個人名義の曲よりももう少し軽いタッチのディスコサウンドを聴かせてくれます。

私は料理をする時やドライブのお供によく聴きます。

ダンサンブルな音楽がお好みの方、メイヤーホーソーンを特にお勧めいたします。

毎年恒例の

らっきょう好きの父からの依頼を受け、今年も漬けることになりました。

毎年恒例のらっきょう10キロ漬けです。



仕事が終わってから綺麗に水洗いし、はがれてしまいそうな外の皮を取り除きます。



綺麗になったらっきょうを瓶に分け入れて塩水に漬けます。

二週間程度、このままかき混ぜながら発酵を促します。

10キロのらっきょうを漬けるとなると、結構な重労働。また非常に手間がかかるので、毎年父から頼まれると正直なところ気乗りがしません。

しかし、一旦作業を始めてしまうとどんどん気分が乗ってくるもので楽しくなってきます。

不思議ですよね。

なにより添加物などは一切使用しないので、スーパーなどで売っているものとは味の違いも歴然です。

らっきょう漬けは私の祖母の毎年恒例行事でした。よしこさん(おばあちゃん)のらっきょうの味は今でも忘れてはいません。少し琥珀色がかったあの色合いまでも鮮明に覚えています。

私が19歳の頃に亡くなってしまったよしこさん。結局、直接教わる事は叶いませんでしたが、よしこさんの優しい心に再び触れられるような、そんな不思議な感覚のある私のらっきょう漬けです。

「ふくよかだったよしこさんのふかふか膝の上でよく座らせてもらったな。」

このブログを書きながらそんな事を思い出して、なんだか泣けてきました。