随分昔の事になってしまいますが、福島大震災のドキュメンタリー番組をみていた時のこと。

番組の後半部分で

「本当に辛い状況だけれど、前向きに頑張っていきたい」

そう涙しながら語られる被災者の方の言葉とともにこの曲が流れてきました。

アデルの「Make You Feel My Love」という素晴らしい曲です。

メロディも歌声もステキなのですが、その歌詞に感動したのが今でも忘れられません。

ここに歌詞（日本語訳）を記しておきます。

『Make You Feel My Love』

【雨が降りかかってきて

世界中の目が厳しくても

私はあなたを温かく抱きしめるわ

あなたに愛を感じてもらうために

日が沈んで、星が瞬き始めるころ

あなたの涙を拭う人が誰もいなくても

私は百万年でもあなたを包み込むわ

あなたに愛を感じてもらうために

まだ決められていないんでしょう

でも私はあなたを悲しませたりしないから

それは出会った頃からわかってた

わたしの心の中には

あなたに何の迷いもないもの

もどかしい想いをしても、打ちのめされてもいい

這いつくばってもいい

あなたに愛を感じてもらうために

私にできないことはない

激しい海の上で嵐が荒れ狂ってる

後悔の道の上に

変化の風が自由奔放に吹いてる

あなたはまだ、私が見ているようには

見えてはいないんでしょう

あなたを幸せにしたいし、あなたの夢を叶えたい

私にできないことは何も無い

あなたのために、地球の果てまでも行くわ

そしてあなたに愛を感じてもらうために】

本当に辛い時、こんな詩を読み、この優しいメロディを耳にすると心が救われるような気がします。

実は、この詩とメロディはアデルのものではありません。

何十年も前にボブディランがつくった曲なのです。



ノーベル文学賞受賞者である彼のものなのです。

彼の歌うこの曲はアデルが歌ったものとは大きくかけ離れていますが、深く胸に染みる説法のようにきこえます。

全てを包み込む愛に溢れた言葉が私の胸を強く打ちました。

いつからかわかりませんが、私にとって自分自身を励ましてくれる大切な曲となっています。

アデル、本家ボブディラン。どちらも本当に素晴らしいです。聴き比べてみるとよろしいかと思います。

8月6日の広島原爆投下、8月9日の長崎、そして8月12日の日航機墜落事故。そして現在の新型コロナウイルスで苦しまれておられる方々。

全ての人を抱きしめてくれる名曲だと私は思います。

皆さまにも一度お聴きになっていただきたく、本日はこんなおはなしを書きました。