松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



100点満点

和菓子職人の方々は今日私が書く事に強く共感していただけると思うのですが。




本日は和菓子の着色に関してのおはなしです。




お店に並べる全ての和菓子は当然でありますが、納得して自信のあるものをお出ししています。




毎日、着色する際には特にその色合いに気をつけます。




季節にマッチした色を。そして松屋長春の和菓子全てのバランスがしっくりくるように注意しながら着色するのです。




そんな中で100点満点を付けたいほど満足できる瞬間が時にあります。












本日ご紹介の「ねじ梅」は満点を付けていいほど素晴らしい着色具合になりました。




薄くもなく、濃すぎることもなく、紅と黄色の混合の程度もバッチリと決まりました。




こなしの生地に映える色合いです。




素晴らしく気持ちが晴れた朝です。

「ひちぎり」の製作過程を逆回しでどうぞ

お雛様の和菓子「ひちぎり」がお店に並びました。




少しスタートが遅くなってしまい、申し訳ございません。




この「ひちぎり」は漢字で「引千切」と書きます。




宮中で時間を省くために餅を引きちぎった事がその名の起源となっています。




毎年、松屋長春の「ひちぎり」は引きちぎった場所が極めて乾きやすいために配慮としてちぎらずに先端を丸めてご提供しています。




もともとの形ではなくなってしまっていますが、これはお客様により美味しくお召し上がりいただくための策であります。




本来の「ひちぎり」という名の由来をしっかり知っていただきながら松屋長春独自の「ひちぎり」をお楽しみくださいませ。




こちらは桃の節句、3月3日までの販売となります。




本日は製作過程逆回しで写真を掲載いたします。























よもぎたっぷりのこなし製、中は丹波大納言小豆粒あん、華やかなきんとんのせです。

おぼろ月夜

菜の花畑に 入日薄れ




見わたす山の端 霞ふかし




春風そよ吹く 空を見れば




夕月かかりて 匂い淡し




「おぼろ月夜」という曲の一番の歌詞です。




私くらいの年代は学校の音楽の授業でこの曲を習いましたが、今の若い世代の方たちはおそらくご存知ないかと思います。




この歌詞は春の山野の情景を如実に表現していて、想像と実際の景色がすぐに結びついて、とても大好きな曲です。




この世に数多ある歌の中でこれほど美しく完璧で、胸を打つ歌はないのではないでしょうか。




そのくらい素晴らしい曲であると私は思っています。




しかし、小学生の頃にこの曲について勉強するにはとても難解でとっつきにくいものであっただろうと簡単に想像がつきます。




この不朽の名曲はもっと広く世間に知ってもらうべきでありますが、違う形でのアプローチを国には模索して欲しいものです。




前置きが長くなってしまいましたが、村雨製の蒸し菓子がお店に並びました。








この菓子と「おぼろ月夜」が私の中で結びついたので、本日はこんなおはなしを書きました。




今日はこの歌を口ずさみながら仕事しようかな、なんて思っています。