松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



花いかだ

重力にまかせ、風にさらされて舞い落ちた桜の花びらが川面に浮かび、連なって流れゆく姿を「花筏」と例えます。




流れる花をいかだに例えるなんて、なんてステキなんでしょう!




昔の人々は心から自然を慈しみ、大切にしていた事が、こんなところからも垣間見られます。




私も含め、現代に生きる人々はどこか心の余裕がないのか、時間に追われ追われる毎日を送っています。




実際には時間は自分自身でつくるものであり、少しだけ工夫さえすればゆとりのある、ゆったりとした時間がちょっとだけでも持てるはずなんでしょうが。。




私なぞは、季節が発するサインを敏感に感じ取り、受け取ったサインを自分が持つ感性のまま和菓子に落とし込まなければならないのに。。。




もう少し余裕ある暮らしを心掛けていかなければと反省しているところです。




前置きが長くなってしまいました。




私が表現した「花いかだ」です。
















半透明でファジーな外郎製の生地をのばし、淡い水色に染めた備中白小豆こしあんをくるみました。




桜の栄枯盛衰。




儚い桜の終わりを告げる和菓子であります。