松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
わかみどり
桜の季節があっという間に過ぎゆき、紫の花たちの季節がそろそろ隆盛を極めるころであります。
桜ほど短くはありませんが、晩春の花たちを愛すことができるのも、そう長くはありません。
皆さまは、薄紅色から紫へとバトンが渡された後はどんな季節の色を想像しますか?
私は毎年「みどり」をイメージします。
若葉の若緑色が夏の到来とともにその色合いを濃くしていくイメージです。
若緑から深緑へと進んでいく山の様子を眺めるにつれ、「ああ、目にとても優しい色はやっぱり緑色だなぁ」などと、自分勝手に解釈したりもします。
そんな時、山の姿を近くで見られる釣りを趣味に持って、本当によかったと思う瞬間があります。
前置きが長くなりましたが、松屋長春の羽二重巻のあんが、このタイミングで薄紅色から若緑色へとシフトチェンジしました。
初夏を感じさせる優しい色合いです。
ケビンナ
松山英樹選手が先日、マスターズで悲願の優勝を遂げました。
本当におめでとうございます。
実況の小笠原アナ、解説の中嶋常幸さん、宮里優作さんの三人全員が男泣きし、視聴者の涙を誘った事も記憶に新しいところであります。
私は生でこの中継はみられなかったのですが、後から録画でみて他の視聴者の方々以上に声を出して泣いたのは、ここで初めて打ち明けることであります。
「おえ~おえ~」と恥ずかしいくらい泣いたのは久しぶりのことです。
ああ、一人でみててよかった。
娘たちに見られたら、笑われていたかもしれません。宅配業者の方があの時うちに来ていたら、居留守をつかっていたことでしょう。
実は、このシーンよりも私の心を強く揺さぶったシーンがありました。
優勝して、クラブハウスへの花道を松山選手が歩いている時に、ケビンナ選手が駆け寄って祝福したところです。
後から知ったことですが、ケビンナ選手は自分の応援をしに来ていた家族と一緒に車で空港へ向かっていたそうですが、家族だけを空港へ送り届けて、松山選手を讃えるためだけに会場に戻ってきました。
ツアー選手の仲間の情報が皆無(たぶん、ものすごく仲良しの友達はいないのではないかと思います。なぜなら松山選手は英語をペラペラ話せるわけではないので。)な松山選手に対して、日本人以外の選手がこれほど労いの行動をするとはとても考えられませんでした。
そんな事もあって、強く胸を打たれた次第です。
スポーツって本当にいいな。
そう、あらためて感じた瞬間でありました。
ありがとう、ケビンナ選手。
ケビンナ選手が私は大好きになりました。