松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



フィナーレ

羽二重餅の焼印が流水と散り際の桜花になっております。








この焼印でのご提供は初めて。




また、二つの焼印を組み合わせてご提供するのも初めてであります。




本日の稲沢市は雨の予報です。




この雨で桜は花を随分散らすこととなりそうですね。




今年もあの、美しき桜のフィナーレを楽しみましょう。

断末魔

夕刻どき。




「ぎゃあ~」と断末魔の叫び声のような甲高い音にビクッとして恐れおののいたのも束の間のこと。




それは私のズボンのお尻が破れた音でした。








お店でしゃがんだ瞬間の出来事。




自分の尻の音でビクっとした臆病者の自分がとても情けない。




こんなに派手にお尻が破れたのは人生初めてです。




裂け目が大きいと流石に涼しいというか寒いですね。すぐに着替えました。




ああ、接客中でなくてよかった。




ホッとした瞬間です。




桜花の散るころ




桜が愛される理由は、その美しさがまず第一にあるでしょう。




もう一つの理由に、とても短い期間に栄枯盛衰がギュッと凝縮されているところも挙げられるのではないかと私は考えています。




桜はとても、か弱い花。




一雨きたら一気に花びらを落とし、春風が通り抜たなら、花弁は一緒に棚引いて、風の赴くままにハラハラと舞い散ってしまいます。




ついこの間、まだ蕾だったものが満開を迎えて、今はサヨナラの時を今かいまかと待ち構えるばかりであります。




桜の歩幅に合わせるように、松屋長春の羽二重餅製の生菓子も散り行く桜花の焼印へとかわりました。








美しくも儚い桜。




昔の人々は桜を己の人生に重ね合わせていたのかもしれません。