松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



季節の変わり目は和菓子の変わり目

季節の変わり目は和菓子の変わり目。




冬から春へ、春から夏へと季節が変わりますと、和菓子の色や形も変化を遂げます。




ちょうど今、お盆が終わってそんな時期を迎えている頃であります。




夏に隆盛を極めた和菓子たちが徐々に姿を消してゆき、そろそろ秋の和菓子がぽつぽつと顔を見せてまいります。




変わり目とは面白いもので。和菓子の色や形だけでなく、使用する材料までもが変わります。また、同じ材料のものでも涼しくなるに伴って保水性までもが変化します。




季節が出してくれるサインを繊細なアンテナを駆使し、敏感にキャッチしなければなりません。




そして、キャッチして自分なりに解釈した感性をお客様にもしっかりとお伝えしなければなりません。




皆さまと「その」部分でぴったりとシンクロできたらなぁ、そんな風に思っています。




前置きが長くなりました。




黒糖が口に嬉しい季節に突入すると同時に、今年も黒糖を使った葛製の蒸し菓子がお店に並びました。




「宝笹」








この和菓子は私が京都で習ったものです。




ひんやりとした口当たりと、黒糖の優しくありながら主張のある味わいを是非感じていただきたいです。