松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
錦秋
色んな色糸で織り上げた絹織物のことを「錦」と言います。
ちょうど今の秋の紅葉の風景のことを「錦秋」と言うのですが、その姿を絹織物に例えた昔の人々の感性はやはり素晴らしいものであったと納得させられます。
娯楽や情報で溢れかえる現在の私たちとは違って、とても質素でつましい生活が基本だったであろう昔の人々の想像力が非常に豊かであったことは容易に考えられる事です。
現代に生きる私ですが、いつまでも小さな事でも感激できるような感受性豊かな人間でいたいといつも思っています。
さて、いつものように前置きは長くなってしまいましたが。。。
「錦秋」という外郎製の蒸し菓子がお店に並びまし
た。

朱色と黄色に色分けし、巾着絞りを施してから蒸し上げています。
錦秋と呼ばれる和菓子は朱色、黄色、緑色の三色が基本であります。
秋も深まってきたこの時期なので、敢えて二色というシンプルな色合いにしてあります。
ああ、私は今年紅葉狩りに行けるのだろうか。