松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
娘のなおい最中
松屋長春の代表菓の一つである「なおい最中」。
香ばしく焼き上げた最中種。丹波大納言小豆の粒あんを挟み、袋に入れ、紅白の帯を丁寧に留めて。
一から十まで全て手作業で「なおい最中」は出来上がります。
とても手間がかかりますし時間を要する仕事ではありますが、私たちの思いが必ずお客様にも伝わるものだと信じております。
そんな理由からずっとこのスタイルを貫き通しているのです。
先日、娘が華を膨らませながら自分で仕上げた最中を見せてきました。

余程綺麗にできたのが嬉しかったのでしょう。
なるほど、素晴らしい出来栄えです。
娘の心と丹波大納言小豆がしっかり詰まった「なおい最中」、本日も販売いたします。
追記ですが、「なおい最中」は発送可能商品であります。
発送ご希望のお客様におかれましては、直接松屋長春までお電話にてお申し付けくださいませ。
松屋長春0587-32-0253
シャン
「大徳寺」と銘打ってお店に並べました。

生地は薯蕷製。蕎麦粉を使っているのでシックな色合いで蒸し上がっています。
そして、中は丹波大納言小豆のこしあんに丹波大納言小豆の蜜漬けをしのばせております。
「大徳寺」の名の由来は頂に配した大徳寺納豆からくるもので、京都大徳寺横に店を構える「大徳寺一久」のものを使っております。
京都の修行時代、大徳寺へはよく配達に行ったものです。
一番記憶に残っているのは旦那さんと一緒に配達へ行った時のこと。
行き帰りの車の中、大徳寺に着いてから、ずっと大徳寺について持っておられる知識を全て私に授けてくれました。
旦那さんの後ろについて、菓子を包んだ風呂敷を丁寧に持って大徳寺の楼門をくぐったあの時のシャンとした気持ちが鮮明に蘇ってきたところです。
確かに修行時代は忘れられないほどの苦しさや辛さがありました。
あの頃にもう一度戻りたいなどということは一切考えたりなどはしませんが、あの時のシャンとしたピリピリとした気持ちだけは少し愛おしく思えたりもします。
おじさんとなった今、シャンなどという心持ちとは無縁となってしまいました。それはそれで寂しくも感じております。
ないものねだりなのでしょうか。






