松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



よっさん

お干菓子が徐々に仕上がってまいりました。




本日ご紹介のお干菓子は「白雪糕」








このお干菓子も京都の修行時代に末富で習ったものです。




私が修行でお世話になっていた頃はベテランの職人さんが三人いらっしゃいました。




上辻職長、上嶋さん、義久さん。




この「白雪糕」は義久さんの担当であったので、義久さんから教わりました。




義久さんと私とは20歳くらいの違いがありましたが、私たち修行の者たちにとっては兄貴のような存在でした。




先輩方は大きな親しみの思いを込めて義久さんのことを「よっさん」と呼んでいたので、私も気づいた頃にはありったけの愛情を持って「よっさん」と呼ばせてもらいました。




よっさん、ありがとう。おかげさまで今でもこうしてあなたとの思い出の「白雪糕」をつくり続けていますよ。




追記ですが、先日ご紹介しました打物や州浜は上嶋さんの担当でした。




上嶋さんと私は音楽の趣味がぴったりと合っていた事もあって、仕事をしながらいつも音楽の話に花を咲かせていたものです。




修行時代の事を思い出しながら書き綴っておりますと、みんなの事がとても恋しくなってきます。




仕事が落ち着いたお正月明けには、また電話でもしよう。




そんな風に思う師走の朝です。