松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



涙の墓参り

松屋長春は現在、修行の人は一人もおりませんが、創業者である祖父の時代には多くの修行の人が長きに渡り在籍してくださっていました。




当然、私はその方々のご活躍具合だけを小さい頃から祖父母や両親から聞いただけでありますが、現在でも辛うじてそのお二人だけは変わらずお付き合いが残っているので、そのお二人から昔の松屋長春のおはなしをお会いした際には伝え聞くことができています。




先日、松屋長春で働いてくださった修行の方々の中で一番古い先輩が祖父と祖母の墓参りに来てくださいました。








私が先輩にお会いするのは、おそらく20年ぶりぐらいのことです。




88歳になられた先輩は運転免許証を返上してしまう前に、どうしてもご自分の運転で直接墓参りをしたかったと仰られていました。




前にお会いした際にはとても元気だった先輩が、足取りも決して軽やかではなくなってしまい、それでも苦労して祖父母のためにこうしてわざわざお参りに来てくださったことに非常に感激した次第です。




先輩の溢れる涙を横に、私も流れ出る涙を抑え切ることはとてもできませんでした。




ありがとうございます。本当にありがとうございます。




ご縁があり、私もこうしてあなたと繋がらせていただいています。




先輩と両親と私。








しっかりと繋がっていますよ。




これから息子、娘に私が責任持ってバトンを渡していきます。




涙いっぱいの墓参りでした。




いつまでもお元気で。今度は私が先輩のお店まで出向きますね。