松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



涙の墓参り

松屋長春は現在、修行の人は一人もおりませんが、創業者である祖父の時代には多くの修行の人が長きに渡り在籍してくださっていました。




当然、私はその方々のご活躍具合だけを小さい頃から祖父母や両親から聞いただけでありますが、現在でも辛うじてそのお二人だけは変わらずお付き合いが残っているので、そのお二人から昔の松屋長春のおはなしをお会いした際には伝え聞くことができています。




先日、松屋長春で働いてくださった修行の方々の中で一番古い先輩が祖父と祖母の墓参りに来てくださいました。








私が先輩にお会いするのは、おそらく20年ぶりぐらいのことです。




88歳になられた先輩は運転免許証を返上してしまう前に、どうしてもご自分の運転で直接墓参りをしたかったと仰られていました。




前にお会いした際にはとても元気だった先輩が、足取りも決して軽やかではなくなってしまい、それでも苦労して祖父母のためにこうしてわざわざお参りに来てくださったことに非常に感激した次第です。




先輩の溢れる涙を横に、私も流れ出る涙を抑え切ることはとてもできませんでした。




ありがとうございます。本当にありがとうございます。




ご縁があり、私もこうしてあなたと繋がらせていただいています。




先輩と両親と私。








しっかりと繋がっていますよ。




これから息子、娘に私が責任持ってバトンを渡していきます。




涙いっぱいの墓参りでした。




いつまでもお元気で。今度は私が先輩のお店まで出向きますね。

裸の大将放浪記

「野に咲く~ 花のように~ 風に吹かれて~♬野に咲く~ 花のように~ 。。。。」




この先のメロディは浮かびますが歌詞は全く浮かんできません。。。




ご存知の方も多いと思いますが、山下清画伯を題材にした「裸の大将放浪記」の主題歌であります。




私がいつも仕事場で声高らかに歌っていて、歌詞を忘れたところで詰まってしまうと、娘がその先を元気よく最終小節まで誤字脱字なくパーフェクトに歌ってくれます。(それも大きな声で。。。それほどキッチリ歌わなくともいいのにさ。)




平和を連想させてくれるようないい歌です。




本日は菜の花畑を連想させる「村雨」という生地の蒸し菓子のご紹介です。








この和菓子と裸の大将放浪記とは関係なさそうですが、あるんです。あると思います。




あの歌とこの和菓子のイメージがとても私にはマッチしているように思えるんです。




優しい春の陽気の中、菜の花畑を鼻歌交じりに歩く。




想像しても気持ち良く、平和がとても感じられます。




あんをそぼろ状にして蒸し上げた生地に丹波大納言小豆のつぶんの取り合わせ。




ピースフルでクラシカルな和菓子です。

ツンとしてgood

栃木県生まれの息子。




息子の幼馴染が、息子が婿として入った我が家へ干しかんぴょうを送ってくれました。








かんぴょうはお寿司屋さんで美味しく食べるもので、自分でつくるものではないと思っていたので、いただいた時には正直面食らいました。




「どうしよう。。。」




私と同じ境遇になったら、私と同じように面食らってしまう方々も多いのではないでしょうか?




息子の地元の代表的な特産品が干瓢(かんぴょう)だそうで、息子の実家の和菓子屋「松屋菓子店」の和菓子も干瓢を使った和菓子を代表菓としてつくっておられます。




栃木県にお住まいの方々にとっては、とても身近にある食べ物なのでしょうね。




この度私は干瓢について一生懸命勉強しました。




干し干瓢を水で洗い、しっかり塩揉みしてから再び洗い茹で上げます。次に味付け。お酒、醤油、味醂、お砂糖でゆっくり煮出す。








そんなところでしょうか。




完成しました。




お寿司屋さんの干瓢よりか随分薄い色合いで仕上がりましたが、味はしっかりついていますので大丈夫。








それから赤酢の酢飯をつくり、焼き海苔でクルッと巻いて出来上がり!








かんぴょう巻きは山葵多めが私は好きです。




強いて言えば「ツンとしてgood」です。




田原俊彦の往年の名曲のような感じになってしまいましたが、とても美味しかったです。




未知の料理に挑戦するのって、なんだかワクワクしますし元気も出るものです。




ステキなプレゼントでした。




息子のお友達、ありがとうございました。またそちらの梨のこと、松屋長春のブログでご紹介させてくださいね。