松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
絶滅危惧種
昔から親しまれてきた伝統的な和菓子をつくるお店が少なくなってきました。
生クリームを入れたものや、フルーツを入れたものなど和洋折衷の和菓子が近頃非常に多くなってきたように感じます。
そういった菓子は、おやつとして娘たちがたまに買ってきてくれるので私たち家族も喜んで食べています。
和菓子屋というのは当然ですがつくっている和菓子の種類がそれぞれ違います。
先ほど書きましたように、おやつ感覚で食べる和菓子をメインにつくる和菓子屋もありますし、昔ながらの和菓子をつくり続ける和菓子屋もございます。(そのような和菓子屋はめっきり少なくなってしまいましたが。)
松屋長春は後者の和菓子屋であります。
つくる和菓子それぞれには意味があり、出来た理由があります。その和菓子には由来というものがあるのです。
季節に準じた和菓子もあれば、その土地土地で発展してきた和菓子もありますし、様々な行事に欠かせないような和菓子もあります。
それらは昔から食べる人々に愛され、使われ続けて今日まで至るのです。
私の祖父も父も私も伝統的な和菓子を好んでつくってきました。
10数年前、SNSなどで和菓子の由来や意味などを発信し、つくった和菓子を広くそして深く知っていただくという活動を私は始めました。
根気よく続けることで徐々にお客様に認知されてきたように近頃はそう感じています。
前置きが非常に長くなってしまいました。
毎年ご注文いただく「落雁」という和菓子を今年もつくりました。



絶滅危惧種の和菓子であります。
このような絶滅危惧種の和菓子をつくらせてもらえる幸せ、そしてこうしてお客様にご紹介できる喜びを強く感じた次第です。
こころを込めて打ちました。
伝統的な和菓子は派手さもなければ、人に大きな驚きを与えることはできないかもしれません。
しかし、どっしりとした落ち着きのあるものであります。
それは昔から長きに渡って積み重ねられてきた伝統があるからに他なりません。
これからもそのような和菓子を追求し続けていく所存であります。
へいわ
「私たちは地球の住人」だとか、「地球はたった一つの惑星」などと小さい頃から耳にしてきましたが、今それが私の中で再び湧き上がってきました。
緑の少ない国々は南米アマゾンの森林がもたらしてくれる大事な酸素をいただいています。
また、全ての国々のほとんどが自給自足で賄うことができないのが現状であります。
足らないものを他の国のために供給し、足らないものを他の国から助けてもらいながらやっと生きています。
ロシアとウクライナの戦争のニュースを毎日見ていて、あらためて最初の言葉の大切さが私の中で蘇ってきた次第です。


人の利害、大きく言えば国の利害だけを追い求めてしまうと争い、戦争に直結します。
もう少しだけ、もう少しだけでも柔和な考えでお付き合いできないのだろうか。
仲良しでいられたらお互いを尊重し合い、手を繋いでいられるのに。
陸は離れていても地球上の海は全部つながっています。
平和を願ってやみません。
「もっともっと人に優しくありたい。」

そんな風に私は強く決意しました。