松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



うなぎ考察

あつた蓬莱軒へ鰻丼を食べに行ってきました。











鰻は私の大好物、不動の第1位!




鰻には並々ならぬ強い思い入れがあります。




近頃は昔のように手軽に食べられなくなってしまったため、鰻を食べる回数が半減してしまったのがとても残念なところです。




鰻屋さんへ私が行く際は、とにかく2点の事だけを特に気をつけてお邪魔するようにしています。




その1!




鰻屋へは開店と同時にお邪魔するべし!




その2!




ひつまぶしは絶対に注文せず、鰻丼を注文すべし!




その1の理由。




まずはご飯です。




開店当初はその日のスタート時間。間違いなく悪いお店でなければ開店に合わせて炊きたてのご飯を用意してくれているからです。




また名店ならば鰻も前日の残りものなど一切入れる事なく、炭火で焼きたてアツアツの鰻を炊きたてアツアツのご飯にのっけてくれるからです。




次に




その2の理由。




鰻は大きく切ったものでなくては鰻そのものの食感がしっかり味わえない。そのため、ひつまぶしのように細かく切った鰻は私の中では論外なのです。




また、ひつまぶしはお出汁をかけて食べる方法が食べ方の一つに加わります。外をカリカリに焼いてもらった鰻をわざわざお出汁をかけてフヤフヤにする必要などどこにもないからであります。




では、鰻重ではなくてどうして鰻丼を注文しようと考えるのでしょうか?




それはお重は器を温められないけれど(もし温めたとしても冷めやすいのがお重なのです。)、丼は熱湯でしっかり温めると冷めにくいという大きなメリットがあるからであります。




よって、火傷するほどアツい鰻とご飯を食べ終えるまで堪能させてもらえるのです。




今回も安定の素晴らしい美味しさでした。ごちそうさまでした。




私は鰻のメッカである愛知県と岐阜県の境に生まれ育ちましたので、当然関東圏によくある蒸しという作業を加えない関西圏によくある直焼きがやはり好みであります。




しかし関東派の仕上げ方。つまり、蒸しの作業が入る鰻も今までの人生で非常に美味しかったと思えるお店が2店舗だけありました。




それは東京赤羽根にある「川栄」と大阪の「鰻にしはら」です。




この二店舗は蒸した鰻でも素晴らしく美味しかったです。




「鰻にしはら」においては、皮目を焼いていません。(全く皮目に焼いた形跡がないので、おそらくそうだと思います。)が、どうしたことかものすごくこれが美味しいんです。




今も忘れられない鰻屋さんの一つとして記憶しています。




また「川栄」はホロホロ鳥料理と鰻の二本立てのお店です。




まだ娘が東京にいた頃に娘と連れだって足繁く通った事を昨日のように思い出します。




ご参考までに。

菜の花にとまれ

「ちょうちょう、ちょうちょう、菜の葉にとまれ
菜の葉に飽いたら、桜にとまれ
桜の花の、花から花へ
とまれよ遊べ、遊べよとまれ」




童謡の「ちょうちょう」の歌にあるように、菜の花と桜の色を控えめに染め、蝶々の焼印を頂に施しました。








薯蕷製の蒸し菓子がお店に並びました。




春の和菓子は美しいと表現するよりも、可愛いがお似合い。




つくり手である私たちもそれを目指してつくっているような気がしています。

まんきゃー

松屋長春の店頭も桜の花と同じく、満開を迎えています。




きんとんの新作です。








これで完成ではなく、頂にもう一つ薄紅色のきんとんをのせて完成です。




この新作のきんとん。そろそろお店に並びますのでご来店された際にご覧いただけましたらと思います。




話は逸れてしまいますが、私のおばあちゃん(よしこさん)は尾張弁の強い人でした。




よしこさんが桜が咲き誇るころ、私を乳母車にのせて散歩に連れていってくれ、「ゆうちゃん、桜がまんきゃーだよ。綺麗だね。」と優しい声で話しかけてくれた事を思い出しました。




「まんきゃー」とは尾張弁で「満開」の事です。




あの幸せいっぱいだった時の事をこのブログを書きながら思い出しました。




急によしこさんにとっても会いたくなってしまい、センチメンタルな気分の朝です。