松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
せせらぎ
桜が散り、藤も去りゆき、若鮎が海から産まれた川へ遡上を始める頃となりました。
頂に鮎の焼印を配した羽二重餅製の生菓子を並べたところです。

丹波大納言小豆の粒あんでのご提供ですので、いつもご予約を頂戴しております松屋長春の「羽二重餅」と全く同じ仕様となっております。
ここずっと、あれほど好きだった釣りから私は離れてしまっておりますが、この時期に川に立ち入って杭のようになってサクラマスやサツキマスを狙っていますと、遡上する若鮎たちが私の足にゴツゴツと当たってきました。
そんな事を懐かしく思い出します。
生命の力強い息吹を身近に感じる瞬間でした。
清流はときに人の命を奪ってしまうほどの、とてもおそろしい姿を私たちに見せますが、あのキラキラとした気持ちの良いせせらぎは私にとっていつまでも忘れる事のできない癒しの場所でもあるのです。
葛(くず)
おはようございます。
明日をもちまして、一月からつくり続けてまいりました「わらび餅」の販売を終えます。
また来年一月の販売開始まで一旦サヨウナラとなります。
長きに渡って松屋長春の「わらび餅」を愛してくださいまして、本当にありがとうございました。
「わらび餅」に代わってこれからつくり始めるのが、「葛」製の蒸し菓子。
一等最初の「葛」製の蒸し菓子はこちらです。
「葛あやめ」

今朝、湯気ホカホカの出来立ての一瞬を撮影しました。
これから九月あたりまでは「葛」が隆盛を極める季節であります。
他の和菓子たちと同様に「美味しい!」とお客様に感じていただけるよう、一生懸命考えながら心を込めてつくります。