松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



栗かのこ

秋の声が聞こえてくるようです。




昼こそまだ暑いですが、朝晩は非常に過ごしやすくなってきました。




先月訪れた北海道では、本州よりもずっと早く完全に穂が開いた「すすき」が気持ち良さそうに、歩調を合わせるように風に身をあずけてゆれていました。




そんな姿を見かけると、「ああ、秋が来たのだ。」と実感するのです。




栗も本番。




「栗かのこ」が店頭に並んでおります。











栗好きの方にはたまらない一品ではないでしょうか。

本日の蒸し菓子

そろそろ菊(秋菊)の季節のころとなりました。




このタイミングで菊の和菓子をお店に並べることにしました。








薯蕷製、丹波大納言小豆こしあん。




頂に丹波大納言小豆の蜜漬けを配し、平鍋でこの蒸し菓子を焼いて仕上げてあります。




今年はまだまだ昼間は暑く、10月あたりまで暑さが残ると言われています。




季節と密接に関係する和菓子屋にとっては、地球温暖化というのは厄介な事案であります。




いつものようなタイミングでこの和菓子をと考えているのに、一向に肌感と和菓子がマッチしてこないからであります。




困ったものです。

映画「さかなのこ」

最初に書いておきます。




私が最も尊敬する人の一人にさかなクンがいます。初めてさかなクンをテレビで見た時は「ああ、また奇人変人みたいな有名人が出てきたわ。」くらいにしか思っていなかったのですが。。。




彼を知るほどに尊敬の念がどんどん強くなっていったのです。




映画「さかなのこ」を観てきました。








さかなクンの半生を元に半分ホントの事、半分は少しファンタジーを交えてつくられた映画だと私は理解しています。




元になった自伝本は「さかなクンの一魚一会」。








この映画を観るずっと前にこの本を買って読んでいたので、映画の制作が決まってから封切りまでがとても待ち遠しかったのは言うまでもありません。




小さな頃から魚だけに目を向けて育ってきた主人公。主人公を取り巻く温かい心を持った人たち。




不器用ながらも周りの人たちと接しながら大成していく物語を




、コミカルというスパイスを加えながら監督さんは上手につくられました。




真っ直ぐ魚だけを見続けて育ってこられたのは、母親の温かい眼差しがあってこそだった事を本からも、この映画からも知ることができます。




親にとって子育ては一番難しい仕事だと思いますが、果たして私は親として娘たちに足かせを付けて育ててはいなかったろうか?親のエゴを無理矢理押し付けてはいなかっただろうか?何が正解であるのかなんて、誰もわかりはしないのに。私はしっかりと親としての役目は果たせたのだろうか?




映画を観終わってからたくさん自問自答しました。




娘は三人全て成人を迎えてしまったので、今更なんともならないのですが。。。




長女夫婦に子どもができて、私がおじいちゃんになった暁にはこの映画を念頭に、好きな事を精一杯応援できるような人間でありたいと決心した次第です。




母親役の井川遥さんがこの役にぴったりで。




子どもの事を一生懸命理解しようとする母親を自然体で演じておられました。




一番響きました。




「さかなのこ」は封切りになったばかりです。




親子のことをあらためて考えさせられる素晴らしい映画です。




平和ってやっぱりいいよなぁ。




私も常にピースフルな人間でいたいです。