松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



うぐいす餅

きな粉の香りを欲する季節の到来です。












この「うぐいす餅」は特に毎年毎年色々と試行錯誤を重ねています。




それには試行錯誤を重ねなければならない特別な理由があります。




きな粉という食材は非常に厄介な特性があるのです。それは水分を吸収する力がとても強いこと。




せっかくふわふわのやわらかに仕上げた羽二重粉ですが、時間が経つにつれ、徐々にきな粉の方に水分を奪われてしまいます。




そうしますと羽二重餅がかたくなるだけでなく、きな粉の方もサラサラではなくなってしまい、結果的に双方が足を引っ張り合うことになってしまうのです。




私は水分を吸収しにくいきな粉があるのも、羽二重餅がかたくなりにくくなる添加物があることももちろん知っています。




しかし、そういったものは美味しさを半減させてしまう事も重々承知しています。




松屋長春の和菓子にはこれからもこの先も絶対に使いたくない。そんな風に考えています。




今年は納得のいく出来栄えになっていると思います。




きな粉が美味しい季節に長く販売いたします。




是非ご賞味下さいませ。




【追記】




きな粉を使ったもう一つの和菓子「わらび餅」ですが、お正月明け早々につくり始めて販売スタートとなります。




また、ご紹介させて下さい。