松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



おはぎ

しっかりご案内した事はありませんでしたが、本日は「おはぎ」をご紹介。お彼岸入りの本日より日曜日までの販売といたします。








丹波大納言小豆の粒あんのご用意と、さっぱりこしあんにきな粉の取り合わせ。




つくり手である私たちは、いつも味見がてら朝ごはんとして食べるのですが、私はお味噌汁と合わせて食べるスタイルが好みです。




ご参考まで。(誰もやらへんか。笑)

臥待月

「臥待月」ってご存知ですか?




「ふしまちづき」と読みます。




夜おそくに出るので寝床で臥して待つ月。そんなところからこの月をそう呼ぶようになったそうです。




旧暦の8月19日の夜の月のこと。




今年は10月3日がその日となります。




私は十五夜(中秋の名月)よりもこの「臥待月」という名前に強く惹かれます。




どこか詩的でロマンティックに感じるのです。




この月を名付けた人の感性にただただ驚くばかり。




当日は晴れたらいいな。








今から「臥待月」に会えるのを心待ちにしています。

壺中天の焼き菓子

私の仲良し、名古屋のミシュランの星付きフレンチレストラン「壺中天」のオーナーシェフが先日焼き菓子をホールまるごと持って遊びに来てくれました。












本当は遊びではなく仕事の一環だったのですが、おしゃべり好きな私たちは話し出したら全く止まる気配がありません。結局遊びのような感覚になってしまいました。




久しぶりに彼と楽しい時間を過ごす事ができました。




いただいた焼き菓子、ものすごく美味しくて。




その日のうちに家族全員で一気に完食しました。




私は洋菓子の専門家ではないので詳しくはわかりませんが、ざっと聞いたところによると、中はアーモンド由来のあん。生地はバターと小麦を原材料としたパイ生地。美しい模様は全て包丁にて描いたものだそうです。




私も職人の端くれ中のハシクレですが、こんな素晴らしい技術は全く持ち合わせていないので、畏敬の念を持ちつつ「ありがたや~」と呟きながら食べた次第です。




和菓子屋を営む私にはブレることのない強烈な信念の軸があります。




それは




「伝統を重んじること」




であります。




新進気鋭の和菓子屋さんがこの世にたくさん出てきた今でも、昔から現在まで伝わってきた伝統的な和菓子だけをつくるという事をモットーにという考えは変わらず持ち続けながら仕事をしています。




業種は違えど、「壺中天」を営む友人も同じ方向性の経営方針である事を長い付き合いから私は知っています。




非常に嬉しくもあり、私にとってとても心強い事柄でもあります。




かっちゃん、いつもありがとう。ごちそうさまでした。