松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
Wind
名鉄(名古屋鉄道)グループの月刊誌「Wind」の記者の方に先日取材をしていただきました。
「Wind」は毎月、名鉄の沿線駅一つにスポットライトを当てて、その駅周辺の情報を発信する雑誌であります。
来年2月の国府宮神社のはだかまつりの開催にあわせ、国府宮駅周辺の取材を決行されたそうです。
今回ははだかまつりに因んだ和菓子という事で、羽二重餅の他に「はだかせんべい」と「なおい最中」の掲載予定となります。

ですので松屋長春が掲載される「Wind」は2月発行のものとなります。
名鉄沿線駅や名鉄百貨店など名鉄グループの施設に置かれております。是非ご覧いただけましたらと思います。
発刊されました際にはあらためてご案内いたします。
雲龍
お干菓子のご紹介最終回です。
今回は白雪糕。

餅米が原料の粉と砂糖だけのシンプルな干菓子。味としましては落雁をイメージしていただけましたらよろしいかと思います。
どこか懐かしい味わいの干菓子ですが、つくり手の思うままの色合いが出せ、とてもつくり甲斐のある和菓子。
私の得意とするところでもありますし、非常に好きな和菓子でもあるんです。
年末年始にかけてつくった今回は「雲龍」をテーマにつくりました。
黒胡麻をすり鉢でゴリゴリと細かくして香りを出します。これが「雲」の部分」。
緑色と赤色は「龍」を連想させます。
どんよりとした雷雲を力強くつんざき、天まで登り詰める龍。
吉兆をも予感させてくれるようです。
来年は良い年になりますように。
そんな願いを込めてつくりました。
29歳のクリスマス
日本のクリスマスソングで一番有名なのは山下達郎のあの曲。
洋楽ではワムのあれとジョンレノンのあれとこれではないでしょうか。
マライアキャリーのこの曲。

この曲を聴くと「ああ、今年もクリスマスの季節がやってきたなぁ。」としみじみ思うんです。
実はこの曲、私の京都修行時代に発表されました。
あの当時トレンディドラマと言われていたかもしれない「29歳のクリスマス」という山口智子、柳葉敏郎主演のドラマの主題歌として日本でも大ヒットしました。
仕事が終わると先輩の部屋にかけ込み(先輩の部屋にしかテレビはありませんでした。そのテレビもブラウン管のものすごく小さいテレビ。笑)、このドラマを週一で先輩と一緒にワクワクしながら観ていたのですが、今もこの曲を聴くとその頃の思い出が鮮明に蘇ってくるのです。
私にとってはとても思い入れの深い曲であります。
ドラマの一緒に観ていた先輩は栃木県で「とらや弥生」という和菓子店を営んでおります。
お互いに随分離れたところに住んでいるので、彼とはなかなか会う機会というものがありませんが、毎年マライアのこのクリスマスソングを聴きますと、責任感が強く面倒見のよかった先輩に思いを寄せるのです。
人はそれぞれ色んなスイッチを持っているものですが、私と優しい先輩を繋ぐマライアキャリーのスイッチは、私にとってとても大切なもの。
クリスマスにだけ私の中にあらわれる特別なスイッチなのであります。
久しぶりにあの先輩の優しい笑顔と声に会いたくなりました。
先日、書きました北鎌倉の先輩「こまき」も本日書いた宇都宮の先輩も、おそらく今歯を食いしばって仕事に励んでいる事でしょう。
修行時代の同志たちの存在がいつも私に勇気を与えてくれます。
彼らの頑張りが私のこの時期の一番の励みになっているのです。