松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



赤飯

一年の中で今が一番赤飯のご注文が多い時期であります。




入学の内祝のタイミングですものね。




今朝も朝一番からずっとボイラーはつきっぱなし。一度では蒸し上がり切らないので、いま2回目を蒸し始めたところです。








湯気の擬音語って「むわ〜〜」とか「もわ〜〜」と表現すると思いますが、松屋長春のボイラーは業務用。最もパワフルなものを使っていますので、皆様のイメージされているものとは違います。




「ブワ〜〜」とか「ゴオオ〜〜」です。




なので、しっかり熱が入った美味しい赤飯ができるのだと思います。




松屋長春の赤飯の小豆は一番大粒の大納言小豆を使います。そんなところもアピールポイントであります。




一度ご賞味くださいませ。




今朝の私の朝食はこの赤飯にしました。








すりごまをたっぷりかけて塩少々。たくわんを2種類付けて。




出来立てをすぐ食べられるのは私たち職人の特権です。

跳ねる音符

寒い冬の後にやってくる春。




なんだかウキウキせずにはいられませんよね。




もし冬の先にすぐ茹だるような夏が来ていたとしたら、こんな気持ちにはならなかったでしょう。




日本には素晴らしい四季がありますが、季節の順番が「これでないと。」と思うほどにマッチしていて、他のどの順番でも不都合でバランスがよくならなかったような気がします。




春のウキウキ、ワクワクを表現した道明寺製の新作です。








この色の取り合わせでつくったことはなかったのですが、非常にいい色味で春らしく仕上がったと感じています。




やっぱり春はこうでなくちゃ。




和菓子から音符が跳ねるように飛び出してくる。そんなイメージで。

闇夜のさくら

夜の桜。




街灯も何もない夜の桜をご覧になられた事ありますか?




月灯にぼんやりと映る桜の花は、実際に薄紅色なのかどうかも判別できないくらい。




しかし、浮かんでは消えるような花がどこか白白と夕闇に揺れる姿は確認できます。




日中に見る桜が好まれるのはよくわかりますが、闇夜の桜は非常に幻想的で私の最も桜の魅力が出る瞬間であると思っています。




本日ご紹介の和菓子は「夜桜」をイメージしてつくった和菓子。








黒糖をたっぷり含んだ丹波大納言小豆のこしあんに、黄色と緑とピンクの三色のきんとんを合わせました。




三色にしましたのは先ほども申し上げました通り、闇夜の桜の花ははっきりと目視できないからであります。




闇夜なので色んな見かたが人それぞれあっていいのでないかな。




そんな風に考えながら仕上げました。