松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
「こなし」について深く掘り下げてみました
松屋長春の「こなし」にはこだわりが詰まっています。
「こなし」、「練り切り」には「ツナギ」というものが入っています。
「こなし」の基礎となる小豆の良し悪しが味を左右するのは当たり前の話ですが、「ツナギ」の選定やその良し悪しによっても味が大きく変化する事はあまり知られていないところであります。
松屋長春では白あんの基礎は全て備中白小豆が成します。そして「ツナギ」は羽二重餅と伊勢芋です。ずっと前からこの「ツナギ」に決めてつくっております。
非常に驚かれた方もおいでとは思いますが、あんだけでは整形はできません。こうした「ツナギ」を必要とするのが「こなし」であり、やっとの事で整形のできる「こなし」の生地に仕上がるのです。
小豆の種類、そして「ツナギ」のあれこれによってそれぞれのお店の味というのが決まります。
お店の特徴が如実に出る和菓子の代表は「こなし」であり、「練り切り」ではないかと考えています。
色々なお店の「こなし」製の和菓子を食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。
本日は「こなし」について深く掘り下げておはなししました。
皆様がご存知ないであろう和菓子の話をする事は、私の一つの使命であると思います。
こうして書くことによって、より和菓子に対して造詣を深めていただけましたら嬉しいです。
最後になりました。
松屋長春の「こなし」製の和菓子の新作。
秋の色、トライアングルで仕上げております。