松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
大豆、きな粉、豆腐に納豆
松屋長春では、きな粉を使った和菓子は「わらび餅」「うぐいす餅」「州浜」と3種類のご用意がありましたが、ちょうど昨日「うぐいす餅」が終売を迎えました。
お正月前から昨日まで、長きに渡ってご贔屓していただきありがとうございました。また来年までサヨウナラ。
本日はきな粉のお話。
きな粉の原料は大豆。大豆を焙煎したものを粉にしてあるのですが、実はきな粉は何種類もあります。ほとんど焙煎をしていないものから非常に香ばしい焙煎の最も強いものまで。
松屋長春で使っていますのは、香りの強すぎず弱すぎずのちょうどいい塩梅のもの。
焙煎の弱いものだと香りがほとんどせず、使い物になりません。また逆に強過ぎるものであればアピールの度が過ぎてしまい、楽しんでいただきたい和菓子の味わいよりもきな粉自体が強くなってしまいます。
選定には特に気を配らないといけないことがお分かりになると思います。
しかし、きな粉って知っていないと大豆が原料なんてわかりませんよね?
大豆って色んな食品に形を変えているので、いざ原料が大豆って知ると「えっ??」と驚くような食品もあったりします。
「豆腐」「揚げ」「おから」「枝豆」「もやし」「豆乳」「湯葉」「油」「納豆」「醤油」「味噌」etc…
挙げ出したらキリがありません。
これほど多岐にわたって食品として使用できるようにした日本人って素晴らしいと思います。アイデアと技術の賜物だと思います。
最後に「豆腐」と「納豆」のおはなしを。
この二つの漢字の意味について考えてみると、おかしい事に気づきます。
「豆腐」って豆を腐らすと書きますよね?一方「納豆」って豆をまとめると書きます。
どうでしょう?
本来は逆の漢字であっただろう事がわかってきます。
実際は「豆腐」が「納豆」であって、「納豆」は「豆腐」であったんです。
今さら元に戻すわけにはいかないでしょうが。笑
色んな事に思いを巡らすって面白い。
