松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
店頭でも販売をいたします
本日は国府宮神社の春の大茶会の日。
一年で春と秋、二度開催される大きな茶会であります。
ご依頼いただきました計2000個超の茶席菓子、一つ一つ心を込めて仕上げました。
本日の茶席菓子は松屋長春の店頭でも販売をいたします。
特に羽二重餅は中のあんは違いますが、店頭に並べます。このような機会はございませんので、ぜひこの機会にお召し上がりくださいませ。
簡単ではございますが、本日の茶席菓子をご紹介いたします。
写真と照らし合わせてご覧下さい。
本席【裏千家】
織部薯蕷
国府宮神社の森と鳥居
中は丹波大納言小豆こしあん
「銘」なおい森

協賛席【松尾流】
干菓子
あやめの打物
せんべい 水色 水の焼印


協賛席【表千家】
松屋長春の羽二重餅(備中紅粒あん)
藤の焼印
銘「藤波」

コロナ
私がビールを好きになったのはお酒が飲めるようになった、ちょうど二十歳ごろ。
もちろん日本四大メーカーのビール(キリン、アサヒ、サッポロ、サントリー)から私のビール人生はスタートしました。
いつだったかは忘れてしまいましたが、ある時友達とメキシコ料理屋さんへ行った時のこと。「コロナ エキストラ」というメキシコのビールがあるのを知り、オーダーしてみたらビール瓶の口にライムが刺さって出てきたのです。
とんでもなくオシャレで、どことなく大人びていて、いざ飲んでみるととても爽やかな酸味と香りと味わいが交差して強い衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。
ビール博士のようになってしまった現在は容易くわかるのですが、アレは麦だけでなく原材料に米が加わっていることによる香りと味わいだったのです。米が加わると違った香りと味わいの広がりがあるんです。特にさっぱりした口当たりになるんです。
コーンスターチが原材料に加わっている日本四大メーカーのビールとは格段に味に違いがありました。(どちらも美味しいんですよ。どちらかを選ぶ事などできないくらいに。)
先日、久しぶりにコンビニでコロナ エキストラと瓶を見つけ買いました。

懐かしの味です。
なんだかとても嬉しかったです。
ライムが家にありゃあ余計に良かったんですけどね。
わかみどり
「目に青葉、山ほととぎす、初がつお」
昔むかし、山口素堂はそう詠みましたが、なるほど!と現代に生きている私でも納得できる季節感であると思います。
「目には青葉」
そう言い直すしましたのは、実際にはこう記したほうが本来の意味がわかりやすいから。
「目に優しいのは若芽が芽吹く春」
「耳に心地よいのは時鳥のさえずり」
「食べると最高に美味しいこの時期の鰹」
目、耳、口で感じる季節を三つ挙げるところに素堂のセンスの凄みを感じます。
そう、ちょうど今の時期の若葉はとても緑が美しい。一年で最も優しい色であると私は考えています。
本日ご紹介いたしますのは練り皮(外郎)製の和菓子です。

よくご覧いただかないとわからないかもしれませんが、薄黄色と黄緑色の2色を用意してそれぞれがファジーに溶け合うように仕上げています。
この和菓子の色合いを実際に手に取って目にしていただき、山口素堂の感性に照らし合わせてもらえましたら、つくり手である私の最高の喜びであります。