松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
おひとりさま
話題の映画「国宝」を観てまいりました。

世襲が当たり前の歌舞伎の世界にひょんな縁で飛び込んだヤクザの親分の息子が人間国宝になるまでを順を追って物語に仕立ててあります。
映画の中では3時間という超大作となりますが、中弛みすることなく主人公と一緒にジェットコースターに乗ったような気持ちで彼の人生を駆け巡らせてもらいました。私の中では途中で目頭が熱くなり、涙がじんわりと滲むシーンが二度ほどあったように思います。
歌舞伎と和菓子では全く違う異業種となるでしょうが、修行の厳しさは同じなのではないかな。師匠から習っている時の厳しさ、他人からの意地悪などは見ているうちに昔の事を思い出しはじめてしまい、胸が苦しくなる場面がありました。身体が硬直してしまったんです。
なんだかわかりませんが、自分自身に重ね合わせてしまう部分が結構あったように感じました。
おもむきが違うように感じられるかもしれませんが、この映画は私的には映画「ジョーカー」に通ずる感覚があります。どちらも名作であるとは思います。しかし、辛くて2回目をなかなか観る気になれない、そんな映画たちであります。
私が観に行ったこの日。朝なのに多くの人が「国宝」を観に来ておられました。若い方々もおられたのですが、圧倒的に私より先輩に当たる年齢の方々が多かったように思います。
いつもほとんど観客がいない映画館なので、久しぶりに多くの人の中で映画を観ましたが、通常とはまた違った新鮮な気持ちで映画と対峙することができました。
火曜日が休みの日は水族館に映画館、ランチなど。一人が多い私ですが、とても心地よい時間を過ごさせてもらっています。