松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
おひとりさま
話題の映画「国宝」を観てまいりました。

世襲が当たり前の歌舞伎の世界にひょんな縁で飛び込んだヤクザの親分の息子が人間国宝になるまでを順を追って物語に仕立ててあります。
映画の中では3時間という超大作となりますが、中弛みすることなく主人公と一緒にジェットコースターに乗ったような気持ちで彼の人生を駆け巡らせてもらいました。私の中では途中で目頭が熱くなり、涙がじんわりと滲むシーンが二度ほどあったように思います。
歌舞伎と和菓子では全く違う異業種となるでしょうが、修行の厳しさは同じなのではないかな。師匠から習っている時の厳しさ、他人からの意地悪などは見ているうちに昔の事を思い出しはじめてしまい、胸が苦しくなる場面がありました。身体が硬直してしまったんです。
なんだかわかりませんが、自分自身に重ね合わせてしまう部分が結構あったように感じました。
おもむきが違うように感じられるかもしれませんが、この映画は私的には映画「ジョーカー」に通ずる感覚があります。どちらも名作であるとは思います。しかし、辛くて2回目をなかなか観る気になれない、そんな映画たちであります。
私が観に行ったこの日。朝なのに多くの人が「国宝」を観に来ておられました。若い方々もおられたのですが、圧倒的に私より先輩に当たる年齢の方々が多かったように思います。
いつもほとんど観客がいない映画館なので、久しぶりに多くの人の中で映画を観ましたが、通常とはまた違った新鮮な気持ちで映画と対峙することができました。
火曜日が休みの日は水族館に映画館、ランチなど。一人が多い私ですが、とても心地よい時間を過ごさせてもらっています。
ブルー
羽二重巻のあんがグリーンからブルーへと変わりました。


岡山県産の備中白小豆は炊き上げると乳白色のあんになります。そこへ着色しますと含みを持った優しい色合いに仕上がるんです。
このブルーも納得のいく良い色になりました。
この先お盆あたりまでこのブルーでお付き合いいただきます。どうぞ宜しくお願いいたします。
話はガラッと変わりますが、aikoの「blue」という曲に私は近頃メロメロなのであります。
彼女の曲の中では非常にマイナーであまり知られていない曲だとは思いますが、本当に素晴らしいメロディと歌詞であると思います。
歌詞とメロディがぴったりマッチした時、名曲は生まれる。そう思うのですが、まさにこの曲はそれではないかと感じているのです。
枕に頭を預け、眠る少し前にこの曲を聴いたならきっと優しい心持ちでいい夢がみられると思います。
夏まつり
葛製の新作の和菓子が蒸し上がりました。

「夏まつり」と銘打ってお店に並んだところです。

殺人的な猛暑が続く日本ですが、私が若かりし頃はこんなに暑くなかったと思います。夜になって友達と連れ立っておまつりに出かける頃は暑いとは言えども、頬をなでる夜風は心地よかった。
猛暑、暖冬は地球のSOSのサイン。子供たち、孫たちのためにも人類が一つになって早急に対処しなければならないと切に感じております。
なんだか朝から神妙な話になってしまい申し訳ございません。
私が高校時代に自転車で通った隣町である一宮市では、今年も7月24日から七夕まつりが始まりました。
子供たちが社会人になった今では縁遠くなってしまった七夕まつりですが、あの華やかな景色はいつまでも忘れないものです。
松屋長春の「夏まつり」も華やかに仕上げております。