松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
幸せの器
本日は随分前からどうしても書き留めておきたかった事をやっとの事で書くことができました。
長文となりますが、皆様にお読みいただけることが出来ましたら嬉しいです。
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
「幸せの器は小さめに用意する。そしてその器に注ぐよろこびの水はたっぷりと注ぐように。」
私の座右の銘のような、いつも私が心の中に留めている言葉であります。

写真は私が悟りの境地を開いた時の写真です。(ウソです。笑)
イタリア映画史に燦然と輝く名作。
誰もが知っている有名な映画、ニュー シネマ パラダイス。

映画好きにたまらない作品でもあります。
映画が好きで好きでたまらない私はこの映画をもう数え切れないほど何度も観直しています。
この映画はジュゼッペ トルナトーレ監督が脚本から全て自分自身で作り上げた渾身作です。
主人公トトの幼少期から壮年になるまでを順を追って物語にしているのですが、このストーリーにはトトが愛してやまなかった映画館で働くアルフレドの存在がとても大きく描かれていました。
幼少のトトと映画館で働くおじさんであるアルフレドの心の交流が胸を打ちます。
また、脇を固める個性溢れる俳優たちの一挙手一投足にも目が離せません。
人をとても大切に思い続ける事の美しさをこの映画から学んできたように思います。
映画の名作には素晴らしい音楽と素晴らしい名言が必ず付いてくるもの。
この映画にはエンリオ モリコーネの名曲があります。
美しいメロディはいつの時代になっても色褪せません。
このエンリオ モリコーネの曲は毎日の私の目覚ましの音楽としても使っており、毎日優しい目覚めを私にもたらせてくれています。
また、映画の中で私が一番印象に残った言葉があります。
それは
「人生は映画のようにうまくはいかない」です。
言われる通り、私も多くの浮き沈みを味わってきました。
片親になった時など頭の中が真っ白になって、これから3人の娘を1人でどうやって育てていったらいいんだ?と五里霧中の心境に陥ってしまいました。
苦しい時も多々ありましたが、いつか自分にもいい時が必ずやってくる。そう信じて頑張ってきたつもりです。
人間の器が小さな私は時に人を羨ましく思った事もありました。しかし人生半分以上(いや、残り少ない人生かもしれないぞ。)を過ぎた今、誰しも順風満帆な人生を送った人などいない事を知りました。
次第に私は人を羨む事は一切無くなり、それよりも自分がいかに人と密にお付き合いできるのかを、そしていかに自分自身に満足できる人生を送れるかについて真剣に考えるようになりました。
最期を迎える時に自分自身に大きく頷けるような、そんな人生をこれから先しっかりと見据えながら生きていきたいと思います。
映画は娯楽だけであるとは私は捉えておらず、人生を晴れやかにそして色鮮やかなものにするための教科書のような存在だと常々思っています。
この映画はそのような意味でもとても私に大きな影響を与えてくれました。
「幸せの器は小さめに用意する。そしてその器に注ぐよろこびの水はたっぷりと注ぐように。」
「我唯足知」(われただたるをしる)と同じ意味合いですね。
私なりの表現のしかたでこのような言葉となってしまっているのですが。
いつも私は自分にそう言い聞かせています。
満足とは自分が設定するもの。高くも低くも自分次第ですものね。幸せを感じるには満足度を低く設定した方がいいに決まっています。
そんな心づもりでこれからの人生も私は歩んでいきたいと思います。
今日の営業日を区切りに、明日より五日間お休みをいただきます。
今回は私の文章史上おそらく最長のものとなりましたが、これで毎日更新していたブログは一旦休止。お休みの間は身体と心を鎮める時間に充てたいと思っています。
また気分が上がってまいりましたら書きますね。