松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



友よ

すすきの焼印を施した羽二重餅製の和菓子、本日より販売を開始いたします。








松屋長春の代表菓「羽二重餅」と同じく、丹波大納言小豆の粒あんを用いております。




秋の七草の一つ、すすきが風に吹かれて揺れる景色を思い浮かべながらお召し上がりいただけましたら嬉しいです。




話は変わりますが、「風に吹かれて」はボブディランの代表曲でもあります。




反戦、人権、平和、自由を哲学的な歌詞にのせて歌うのですが、その歌詞がとても心にずっしりと響きます。




「友よ、答えは風に舞っている。答えは風の中に舞っているんだ。」




なんてステキな歌詞なんだろう!




特に「友よ」ってところに私はジンジンきます。「友よ」を抜いてしまうとやっぱりこの歌詞は不完全なものになってしまうんではないかな。




そんな風に考えながらこの曲をいつも聴いています。

a little later

菊の和菓子がもう一つお店に並びました。




ピンクを控えめにした可愛らしい色合いで仕上げております。








合わせるは備中白小豆こしあん。




野菜豆ではない、白小豆しか出せないふくよかな香りと味わいを感じていただけると思います。




和菓子職人は季節が出すサインを敏感に感じ取り、それを和菓子に落とし込むことを生業としているのですが、ちょっとだけ難しいのは「now(ちょうど今)」ではなく、「a little later(少し先のこと)」を見据えて題材にしないといけない事なのです。




神経をそこに集中しないといけません。

あかね空にトンボの図案で

8月7日が「立秋」でした。




暦の上ではもう既に秋という季節に足を踏み入れたということになります。




全くそんな感覚、ないですよねぇ。




これだけ気温の高い時期が長くなってまいりますと、二十四節気も七十二侯も、そして暦までも変えていかなければならないタイミングになってきたのかもしれません。




はっきりとした四季が日本の良さであったものが、この先温暖化が進んでいくと春と冬が無くなり、夏と秋の繰り返しくらいになっていってしまうのではないでしょうか。




私はとてもそれを危惧しております。




朝からネガティヴな話になってしまいました。申し訳ございません。




ふわふわの羽二重餅の生地に備中白小豆こしあんを合わせ、あかね空にトンボの図案としました。




本日より販売スタートとなります。