松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



菊をイメージさせる和菓子

来月に入りますとすぐに「重陽の節句」を迎えます。




いわゆる「菊の節句」です。




節句の中で一番知られていない節句なのかもしれません。




お盆を境に松屋長春の和菓子は徐々に景色を変えてゆきます。夏真っ盛りの様相であった和菓子たちは次第にあきいろへとモードを移していくのです。




ご来店くださいましたお客様にそんな変化を感じ取っていただけましたら嬉しく思います。




本日ご紹介いたしますのは薯蕷製の蒸し菓子。




織部の色合い。丹波大納言小豆の蜜煮を頂に配して。




菊の花をイメージさせる和菓子です。





秋の七草

藤、あやめ、カキツバタ、花菖蒲、紫陽花、アサガオ、ラベンダー、ペチュニア、菊、サルビア、パンジー。。。




紫色の花を咲かせる植物って挙げ出したらキリがないほどたくさんありますよね。




本日は夏から晩夏、初秋に向けて咲く「桔梗」の和菓子をご紹介いたします。




秋の七草の一つに数えられる「キキョウ」。とても可愛らしい花であります。




練り皮製の生地に備中白小豆こしあんを合わせました。




例年ならばこの和菓子は北海小豆こしあんを合わせるのですが、なぜ白へと変更したかと言いますと。




より紫色が色鮮やかになるからであります。これからは備中白小豆こしあんで通そうかな、そんな風に考えております。





横蔵寺の即身仏

徳山ダムから西平ダムへと計四つのダムを全てコンプリートし終え、そのまま帰路につこうと思ったのですが。




せっかく近くまで来たのだからと、もったいない気持ちがずんずんと込み上げてまいりまして、最後の西平ダムや久瀬ダムからさほど遠くない「横蔵寺」まで足を延ばしてきました。




お寺にとっては全くいい事ではないと思いますが、私以外誰も参拝客がおらず、素晴らしい景観を独り占めする事ができたのです。




お寺横に流れる小さな川のせせらぎ、苔むす境内、目にも優しいもみじの緑、本堂や三重の塔などの伽藍の美しさに言葉を失ってしまいそうでした。




写真を何枚か載せておきますね。
























なぜ私がこの横蔵寺を知っていたかと言いますと、このお寺は全国的にも珍しい即身仏(簡単に言いますとお坊さんのミイラ)が祀られているからです。




お坊さんが死を選び、自身が仏となった理由は基本的に世の中が不安定だった時期に集中していると私は考えています。




人々の不安を取り除こうと、己の命を呈してまで奔走した偉大なる僧侶を一度実際に見て手を合わせたい、そう以前から思っていました。




タイミング良く今回その願いが叶い、本当によかったです。




あんなにたくさんのもみじがあったので、もし今度訪れるならば秋の紅葉の季節がいいな。




これで今回の小旅行のおはなしは全部おしまいです。




お付き合いいただきありがとうございました。