松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



トリプルネーム

本日は国府宮神社の九月の茶会が催されます。




裏千家のご担当の先生よりご用命いただきましたのは、「着せ綿」。




9月9日は重陽の節句。菊の節句です。




不老長寿を願う日でもあるのですが、本日の茶席菓子は菊の節句の数あるこの節句の行事の中の一つを和菓子に落とし込んだものとなります。




その行事とは菊の花に前日より綿を被せ、翌日夜露に濡れた綿で体を拭くというもの。そうやって体を清め、不老長寿を願うのです。




純白のこなしに薄紅色を合わせて包あんし、木べらで菊の紋様を施して、上に綿をイメージさせる伊勢芋の練り薯蕷をふわりとのせて完成となります。












この和菓子は非常に手間のかかる和菓子なので息子、私、そして父の3人が久しぶりに協力して仕上げました。




松屋長春の和菓子では非常に珍しいトリプルネームであります。




「着せ綿」は本日、休みを挟んで9月9日「重陽の節句」当日の二日間のみの販売となります。