松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
起居作息、我唯足知
ヴィム・ヴェンダース監督、主演が役所広司。
今まで私の観た映画の中でも稀有なほど心にジンジンと響いた「パーフェクト デイズ」を映画館で観てからずっと頭の中にこびりついて離れませんでした。
遅ればせながらDVDを購入した次第です。

外国人の監督が撮る日本というものは、日本をしっかり捉えていないものがほとんど。いや、全部がそうであると考えておりました。外国人は日本人の心までは絶対に見抜けない、そう考えていたのです。
ヴェンダースさんはこの映画をどうやって作り上げたのだろう?日本におそらくどっぷりと浸かってもいないであろうに。
丁寧に生きる。決められたリズムで生きる。でも起居作息の毎日の中にも小さな変化をつぶさにキャッチしながら、そこにささやかなる幸せを感じる。
自分が本来あるべき姿、お手本をこの主人公は体現してくれているのだと私は毎回観るたびに感じ、毎度大きく頷いております。
「我唯足知」
つくばいに落ちる水滴が静かに、それも定期的に波紋がゆっくりと広がるような。。。平穏と満足が心を一杯にしてくれるような幸福感のある生き方を望みます。
私はこのDVDが届いてから何度も何度も観返しているのですが、これだけ何回も観る映画というのは今までなかったかもしれません。
木漏れ日、ルー・リードを主にした古き良き音楽たち、もみじの鉢植え、小さな小さなブックライトの下での読書、○✖︎ゲーム、缶コーヒー、自転車、川の流れ、サンドウィッチ、銭湯、影踏み、駅地下の居酒屋などなど挙げたしたらキリがありません。
それらの全てに幸せのヒントが詰まっているのです。
ヴィム・ヴェンダース監督の別の作品「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」のDVDも私は持っており、こちらも何度も観返しているのですが、この映画「パーフェクト・デイズ」と同じく、「ホンモノの幸せとは何か」を突き詰めた映画となっています。
どちらの映画も私はそんなところに強く惹かれているのだと思います。
幸せというものは実際にはとてもミニマルなところにひっそりと隠れているものなのです。
その小さき部分を感じ取るのは自分次第。
この映画はいつも私にそう静かに教えてくれています。




