松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
雪印
11月は霜月。
もう少し寒くなってきますと、田んぼの刈り終わった稲の残った根の部分や忘れ去られた稲藁などに霜が降りるようになります。
早苗の手植えの時期(現在はさすがに非常に少なくなってしまいましたが、まだ手植えの農家さんも残っているんですよ。)、生命感溢れる若緑の時期、黄金の絨毯が真っ青の空と気持ちよく交わる時期。
ちょうど今、その次の時期へ移行するところであります。
稲はどの時期においても魅力的で、近くに住んでいて普段から見慣れているはずなのに、時にその瞬間の美しさにハッとする事が今でも何度もあります。
ああ、大好きな心の風景の一つにまた出会えるのだと、今から楽しみでしょうがありません。
余分なおはなしがまた過ぎてしまいました。
霜月に入り、羽二重餅はハロウィンの焼印から雪の結晶の焼印にかわりました。

雪の結晶は顕微鏡で覗くと様々あるようですが、この焼印のデザインが一番オーソドックスではないでしょうか。
雪の結晶はとてもピュアで清楚な印象を受けます。
私はこの図案自体がとても好みなのですが、それに加えて焼印の押しやすさが格別なのです。
それが一番嬉しい事なのかもしれません。