松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
なんとなく
本日ご紹介の和菓子は「時雨」と呼ばれる生地を使っています。

「時雨」。私はこの言葉がなんとなく好きです。
「時雨」という漢字のかたちも、「しぐれ」という言葉の響きも、なんとなく好きなのです。
「時雨」とは通り雨のこと。
何故だかわかりませんが縁側に座ってただただ静かに、ランダムに落ちる雨音だけに耳を傾けていた小学生の頃の自分の事を思い浮かべます。
雨に自分を徐々にシンクロさせていくと、心が満たされていく自分がわかったものです。
私にとって、それはとても贅沢な時間でした。
おはなしは和菓子の「時雨」に戻りますが、先人たちはどうしてこの生地に「時雨」と名付けて呼んだのでしょう?
それが今でも全く理解できない事柄であります。