松屋長春の和菓子便り
尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。
商標登録の大切さ
「松屋長春」という名前の商標を特許庁に申請し登録していたのですが、10年という登録期間を過ぎてしまっていたのに全く気づかず、知らないうちに失効してしまっていました。
数ヶ月前に申請し直してやっとの事で再び認可され、商標登録証が届きました。

私は「松屋長春」の他に「なおい」、「はだか」、そして「羽二重餅」と全部で四つの商標を登録し保有しています。



「なおい」と「はだか」はご説明しないとわからないかもしれませんので、あらためてここに書きます。
一つは国府宮神社のはだかまつりの「はだか」であります。
もう一つ、それは。
国府宮神社のはだかまつりは真の名称が儺追神事(なおいしんじ)と言います。ですので「なおい」という商標もどうしても登録しておかなければならないのです。
松屋長春の和菓子に「はだかせんべい」があります。「はだか」という名前を使うには商標を登録する必要があります。
また松屋長春には「なおい羊羹」(松屋長春の羊羹各種)、そして「なおい最中」があります。こちらにおいても「なおい」という商標が必須なのであります。
商標を登録する理由に防御(ディフェンス)という意味合いが強いと私は考えています。
商標を登録することによって、他の和菓子屋さんや洋菓子屋さんが「松屋長春」、「なおい」、「はだか」、「羽二重餅」という名前の商品名での販売ができなくなります。
しかし私がもしこの四つを保有していなくて、他の方がこれらの商標を登録していたならば、私はこれらの名前がついた菓子を売る事が一切できなくなってしまいます。
よく裁判で見受けられる事例なのではあるのですが、とてもこわい事であります。
そのような理由から、松屋長春が以前から使っている特に大切だと思ったこの四つの商標だけは保有しようと考えたのです。
「松屋長春」などは使えなくなってしまったらと考えるとゾッとします。
ホッと一安心したところです。
他店が使えないようにするというような意地悪な考えというよりも、自分がしっかりと胸を張って使えるようにという意味合いが強いのが商標登録だと私は考えます。
10年の保有期間が迫ると再申請して、再び10年延長という事はもともと可能なのですが、一旦失効してしまうとこのように再申請の手続きが非常に大変であります。
しっかり管理しながら期限切れになるまでに再申請をしなければなりません。
今回はとてもいい勉強になりました。