松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



山ほととぎす

「目に青葉 山ほととぎす 初がつお」




江戸時代に流行した山口素堂の有名な句ですが、この3つは全て季語になっていて初夏の風情を端的に表していてこの時期になると、あらためてやはり素晴らしい句だ!と感じる次第であります。




目で見る新緑の木々の葉、時鳥の鳴き声、食べて美味しい初鰹。どれも甲乙つけ難き初夏を感じる事柄であります。




個人的には時鳥という鳥よりも初夏にかけてどんどん鳴き声が美しくなる鶯の方がもっともっといいとは思うのですが。(たまたま素堂の近くには鶯がいなくて時鳥だけが鳴いていたのかもしれませんね。また鶯はこの時期ギリギリまで美しく鳴きますが、繁殖期が終わるとパタリと鳴かなくなるためなのかもしれません。)




写真では「味」だけは表現できないので、もみじの新緑の枝葉と初夏の新作「山ほととぎす」という名の和菓子を写しました。








盛夏になる前の最後の軽羹製の蒸し菓子です。