松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



トリプルネーム

本日は国府宮神社の九月の茶会が催されます。




裏千家のご担当の先生よりご用命いただきましたのは、「着せ綿」。




9月9日は重陽の節句。菊の節句です。




不老長寿を願う日でもあるのですが、本日の茶席菓子は菊の節句の数あるこの節句の行事の中の一つを和菓子に落とし込んだものとなります。




その行事とは菊の花に前日より綿を被せ、翌日夜露に濡れた綿で体を拭くというもの。そうやって体を清め、不老長寿を願うのです。




純白のこなしに薄紅色を合わせて包あんし、木べらで菊の紋様を施して、上に綿をイメージさせる伊勢芋の練り薯蕷をふわりとのせて完成となります。












この和菓子は非常に手間のかかる和菓子なので息子、私、そして父の3人が久しぶりに協力して仕上げました。




松屋長春の和菓子では非常に珍しいトリプルネームであります。




「着せ綿」は本日、休みを挟んで9月9日「重陽の節句」当日の二日間のみの販売となります。

早い者勝ちです

カステラ、焼けました。




数に限りがありますが、お試し品の販売をいたします。




無くなり次第終盤となりますのでお早めに。









孤高の岩村ダム

「阿木川ダム」を後にし、次に向かったのは「岩村ダム」。




知る人ぞ知る非常に小さな規模のマニアックなダムのようです。




道中通ったのは棚田ではないですが、段差のある至る所に田んぼの風景が広がる素敵なところでした。








私の住むまちは、まだまだ稲穂が色づいてはいないのですが、岩村町あたりは色づき始めていてとても美しい場所であります。




古き良き日本の田園風景をこうして眺めていますと、本来あるべき姿が浮かび上がってくるようです。




この先は細い細い山道を果てしなく登っていきます。このあたりが源流なのだろうか。水が澄み渡っていました。山水に少しの間だけでしたが触れました。冷たくて綺麗で、とても気持ち良かったです。




そのまま車一台も、そして誰にもすれ違いもせずに「岩村ダム」へ到着。
























非常にミニマルなダムでありますが、下流に住む人々を洪水から守る大切な役目を担っています。




小さな管理事務所がありましたが、玄関が施錠されていました。一か八かで呼び鈴を押したら職員さんが下りてきてくださいました。




訪問者が非常に少ないのか、パンフレットは無いそうで。かろうじてダムカードが残っていたので一枚いただいてきました。笑




「道中、クマが出そうな雰囲気があるなぁって感じました。」と職員さんにお尋ねしたところ、「クマ、ものすごくたくさんいますよ。」ですって。




出くわさなくってよかった。




私は今までツキノワグマと2度至近距離で遭遇しているのですが、一度もどこかに報告した事はありません。




もし報告するとなると、その先が容易に想像できます。




彼らの住む領域というのは自然の減少により、昔に比べて大きく減ってしまっていると思います。逆に人間は住む区域を自然を崩してまで増やし続けているのが現状なんですよね。




せめて現在彼らが暮らしている地域はそのままに。私たちの今できる事はそのくらいの事しかできません。




静かに見守っていかなければ絶滅へとこの先進んでいってしまう事でしょう。