松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



全ては美味しいのため

何年かぶりにカステラの配合を変えました。




特に変化させたのは卵。卵黄の量を上限ではないかと感じるほどに多くしました。




濃厚な味わいになって、しっとりさ加減もより良くなったと納得しているところです。




和菓子職人として、完全なる完成形にたどり着くというのは一生ない、そんな風に思います。




羽二重餅もカステラも他の全ての和菓子たちも。こうしたらもっと美味しくなるのではないか。そのような試行錯誤を重ねながら毎日仕事に対峙しています。




「いつもとおんなじ」




それも大事ですが、それではダメなのです。




全ては「美味しい」のため。





栗きんとんと長い夜に聞くスズムシの歌声

九月に入りました。




「栗きんとん」の季節の到来であります。








今年もおそらくではありますが、年明けくらいまでは販売できると思います。お客様に美味しい「栗きんとん」をお届けできますよう、栗の選定にも力を入れていきたいと思っております。




九月は「夜長月」とも言います。ロマンティックな名前ですよねぇ。




スズムシの歌声、リーンリン。長き夜にしっくりとくる、こちらもロマンティックな音色であります。




ところで、いつも疑問に思っている事があるんですが。。。




スズムシを飼う時、どうして決まって茄子をあげるんでしょう?スズムシが生きている自然界のあちらこちらに茄子なんて転がってなどいないですものね。




スズムシは黙って茄子を食べてはいますが、もっと彼らの好物があるだろうに。そんな風に思います。

日本語のアヤ

にぎりめしを久しぶりにつくりました。




今回は炊き立ての白飯にだし醤油といりごまと鰹節をササっと混ぜ合わせ、握ってからフライパンでジュワ〜っと両面をこんがり焼き上げました。












日本人は醤油が焦げる匂い、遺伝的に好きなんですよね。嫌いと言う人、聞いた事がありません。




前にも書いた事と思いますが、私は「おにぎり」と言うよりも「にぎりめし」と言った方が美味しく感じて好きなんです。




でも、その「にぎりめし」を焼いたとたん、どうやっても「焼きおにぎり」となります。「焼きにぎりめし」とは絶対になりません。




日本語のアヤですね。これはしょうがありません。




甘んじて受け入れる事といたします。