松屋長春の和菓子便り

尾張稲沢の和菓子店、松屋長春の毎日を皆様にお届けします。 末長くお付き合いをよろしくお願いいたします。



a little later

菊の和菓子がもう一つお店に並びました。




ピンクを控えめにした可愛らしい色合いで仕上げております。








合わせるは備中白小豆こしあん。




野菜豆ではない、白小豆しか出せないふくよかな香りと味わいを感じていただけると思います。




和菓子職人は季節が出すサインを敏感に感じ取り、それを和菓子に落とし込むことを生業としているのですが、ちょっとだけ難しいのは「now(ちょうど今)」ではなく、「a little later(少し先のこと)」を見据えて題材にしないといけない事なのです。




神経をそこに集中しないといけません。

あかね空にトンボの図案で

8月7日が「立秋」でした。




暦の上ではもう既に秋という季節に足を踏み入れたということになります。




全くそんな感覚、ないですよねぇ。




これだけ気温の高い時期が長くなってまいりますと、二十四節気も七十二侯も、そして暦までも変えていかなければならないタイミングになってきたのかもしれません。




はっきりとした四季が日本の良さであったものが、この先温暖化が進んでいくと春と冬が無くなり、夏と秋の繰り返しくらいになっていってしまうのではないでしょうか。




私はとてもそれを危惧しております。




朝からネガティヴな話になってしまいました。申し訳ございません。




ふわふわの羽二重餅の生地に備中白小豆こしあんを合わせ、あかね空にトンボの図案としました。




本日より販売スタートとなります。





菊をイメージさせる和菓子

来月に入りますとすぐに「重陽の節句」を迎えます。




いわゆる「菊の節句」です。




節句の中で一番知られていない節句なのかもしれません。




お盆を境に松屋長春の和菓子は徐々に景色を変えてゆきます。夏真っ盛りの様相であった和菓子たちは次第にあきいろへとモードを移していくのです。




ご来店くださいましたお客様にそんな変化を感じ取っていただけましたら嬉しく思います。




本日ご紹介いたしますのは薯蕷製の蒸し菓子。




織部の色合い。丹波大納言小豆の蜜煮を頂に配して。




菊の花をイメージさせる和菓子です。